検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:217,551 hit

第十八話 劇的ショータイム ページ19

『──最悪……ホント最悪……』

中原「……童話に出てきそうな格好だな」

『五月蝿い……嗚呼…何でワタシがこんなドレス……』

あの後、洋菓子を堪能したワタシは、首領に渡された襞付きの淡い青色のドレスを着る羽目に……嗚呼、帰りたい。

中原「手前が悪ぃだろ。如何考えても」

『……でも、首領の趣味も悪い…!』

中原「手前が甘いモンの誘惑に負けたからそうなったんだろ……俺よりも好きだって云う甘いモンに」

『……真逆……中也……ワタシのあの言葉に嫉妬…?中也、カワイイ』

中原「……如何やら、手前に反省の色はねぇようだな……これで決まったな。A、手前の今夜の睡眠時間は0だ」

『えっ…』

中也の言葉に、全身から血の気が引いていく気がした。ワタシは慌てて中也に謝るが、「もう遅い」と軽くあしらわれてしまう。
最悪……今日のワタシはとことんついてない。
番傘をクルクルと回しながら、ヒールを鳴らし、路地裏を歩いていると、前方に複数の人間が倒れているのを見つけた。ワタシは、倒れている人間の元に駆け寄り、その場にしゃがみこむ。

『──中也、全員駄目みたい』

中原「チッ…これだから、外部の奴等は信用出来ねぇ。首領、襲撃は失敗です。尾行も付けましたが……」

[腐っても、探偵の親玉だ。尾行されるほど、柔じゃあないさ。善いよ。予定通りだ。刺客の袖に付けた放射性追跡元素(スカンジウムマーカー)は?]

中也が視線をワタシに落とした為、ワタシはドレスのポケットから携帯を取り出す。

『──反応は良好』

[其処が探偵達の隠れ家だ。先ずは一点先取]

『……御父様……本当に、探偵社と組合を相手取るの?』

[三組織の内、生き残るのは一組織のみだ。戦う以外に活路は無い。勿論、最後に残るのは我々だ]

『……そう…』

とうとう幕を開けてしまった……三組織異能力戦争が──。

第十九話 朽ち椿の花葬路→←第十七話 毒を孕んだ蜂蜜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
228人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます!!とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします!! (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです!他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです!続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください!私も陰ながら応援させて頂きます! (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です!今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品&中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セシル | 作成日時:2016年6月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。