第十八話 劇的ショータイム ページ19
『──最悪……ホント最悪……』
中原「……童話に出てきそうな格好だな」
『五月蝿い……嗚呼…何でワタシがこんなドレス……』
あの後、洋菓子を堪能したワタシは、首領に渡された襞付きの淡い青色のドレスを着る羽目に……嗚呼、帰りたい。
中原「手前が悪ぃだろ。如何考えても」
『……でも、首領の趣味も悪い…!』
中原「手前が甘いモンの誘惑に負けたからそうなったんだろ……俺よりも好きだって云う甘いモンに」
『……真逆……中也……ワタシのあの言葉に嫉妬…?中也、カワイイ』
中原「……如何やら、手前に反省の色はねぇようだな……これで決まったな。A、手前の今夜の睡眠時間は0だ」
『えっ…』
中也の言葉に、全身から血の気が引いていく気がした。ワタシは慌てて中也に謝るが、「もう遅い」と軽くあしらわれてしまう。
最悪……今日のワタシはとことんついてない。
番傘をクルクルと回しながら、ヒールを鳴らし、路地裏を歩いていると、前方に複数の人間が倒れているのを見つけた。ワタシは、倒れている人間の元に駆け寄り、その場にしゃがみこむ。
『──中也、全員駄目みたい』
中原「チッ…これだから、外部の奴等は信用出来ねぇ。首領、襲撃は失敗です。尾行も付けましたが……」
[腐っても、探偵の親玉だ。尾行されるほど、柔じゃあないさ。善いよ。予定通りだ。刺客の袖に付けた放射性追跡元素(スカンジウムマーカー)は?]
中也が視線をワタシに落とした為、ワタシはドレスのポケットから携帯を取り出す。
『──反応は良好』
[其処が探偵達の隠れ家だ。先ずは一点先取]
『……御父様……本当に、探偵社と組合を相手取るの?』
[三組織の内、生き残るのは一組織のみだ。戦う以外に活路は無い。勿論、最後に残るのは我々だ]
『……そう…』
とうとう幕を開けてしまった……三組織異能力戦争が──。
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瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます!!とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします!! (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです!他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです!続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください!私も陰ながら応援させて頂きます! (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です!今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品&中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2016年6月8日 17時