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第十一話 真っ白な怪物とこんにちは ページ12

『──あの…首領…』

鷗外「Aちゃん、君は何度云ったら判るんだい?昔は呼んでいたじゃないか……ほら、云ってごらん。“御父様”って」

確かに首領は、名目上ワタシの義父だ。昔は首領にベッタリだったし、「御父様」なんて呼んでいた。然し、それは昔の話。今じゃ、ワタシもポートマフィアの幹部だ。首領には敬意を示す必要がある。性格を変えるのは困難だから、形だけでもと思い、「首領」と呼ぶようにしたのだ……だが、こうなった首領は面倒臭い。ワタシが「御父様」と呼ぶまで、話を進めさせてはくれないだろう。
ワタシは態とらしく溜息をついてから、口を開く。

『──では、“御父様”。つかぬ事お伺いしますが』

鷗外「何だい?」

『何故、ワタシまで街に?』

鷗外「勿論、Aちゃんの服を買う為さ」

『嘘……ワタシに何か隠してる──中也は?』

鷗外「中也君は仕事だ。Aちゃんは、私とエリスちゃんの付き添い。エリスちゃんが、如何してもAちゃんの服を選びたいって、云ってね。それで…」

『まっ、その肝心のエリスはまた何処かへ行ってしまいましたけどね』

ワタシの言葉に、首領は固まった。そして、その数秒後、エリスの名前を叫び出した。五月蝿くて堪らなかったワタシは、両手で耳を塞ぐ。

『落ち着いて下さい、ボ……御父様。エリスの事だから、その内ヒョコって出てきますよ』

鷗外「確かにそうかもしれないが……エリスちゃんに……もしもの事があったら……」

狼狽える首領に、ワタシは冷ややかな視線を送る。
これが、ポートマフィアを仕切る首領の姿だろうか……とは云え、ワタシもエリスの事が心配じゃない訳じゃない。とりあえず、首領の後に続いて、エリスの事を探す。
その時、後ろから何かが来る気配を感じた為、ヒョイっとそれに道を譲れば、首領は後ろから走ってきた青年に押しのけられてしまった。

鷗外「痛たた…」

中島「大丈夫ですか!?」

『御父様、だいじょ……あっ…』

中島「えっ…」

首領に声をかけてきたのは、写真でしか見た事が無かった『人虎』で、反射的に指させば、彼はギョッとした表情でワタシの事を見つめた。
その直後、何故か辺りが異空間に変わった。

『……ナニコレ。最悪っ』

ルーシー「ようこそ。アンの部屋へ」

第十二話 不幸の靴を履く少女→←第十話 少女Aの逃避



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瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます!!とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします!! (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです!他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです!続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください!私も陰ながら応援させて頂きます! (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です!今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品&中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2016年6月8日 17時

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