第五話 ハッピー・ハミング ページ6
『──ねぇ、グレン。暇だから遊びに来た』
グレン「ふざけるな。帰れ。おまえが来ると仕事の邪魔だ」
そう言えば、Aは部屋に入る足を止めた。チラッとAの顔を見れば、その目には薄っすらと涙がたまっていた。
これだから、冗談の通じない馬鹿は扱いづらい。
グレン「……冗談だ。入ってきていいぞ」
その言葉を聞いて、Aは嬉しそうに部屋に入ってきた。仕方ねぇから、Aに向かって両手を広げてやれば、Aは迷わず飛び込んできた。
グレン「馬鹿。勢いよすぎんだよ。椅子から転げ落ちたらどうしてくれんだ」
『可愛い彼女を受け止められないグレンが悪い』
グレン「あー、うぜぇ」
『ねぇ、グレン。優の奴、自力で鬼を退けたらしいね』
グレン「……誰から聞いた?その話」
『シノア姉様から聞いた。それで?どうするの?』
グレン「あ?まぁ……とりあえず明日から殲滅部隊の訓練校に通わせる」
『あら?意外とあっさり』
グレン「仕方ねぇだろ。てめぇの姉貴が勝手に決めちまったんだから」
『なるほど……なんだか、面白いことになってきたね』
グレン「笑い事じゃねぇぞ、たく……面倒ごとが増えた……どうしてくれるんだ」
『そ…そんなこと……私に言われても……』
グレン「──おい、A。目、閉じろ」
『は?な、何よ…いきなり……』
グレン「いいから、早くしろ」
『……わ、分かった』
首を傾げながらも、素直に目を閉じるAの顔に自分の顔を近づける。その直後、何の前触れもなく、執務室の扉が開いた。
シノア「中佐。聞き忘れていたのですが、明日の件──あっ…」
グレン「あ…」
『え…?』
俺とAの姿を捉えたシノアは、ニヤッと不敵な笑みを浮かべた。
あー、めんどくせー……。
シノア「ははーん。なるほど……お取り込み中でしたか」
グレン「おまえ、ノックぐらいしろよな」
シノア「執務室で不純異性行為をしようとした中佐の自業自得では?」
『ね、姉様!?な、なにか勘違いしておられます!!』
シノア「えー……だって、Aちゃん……今、中佐とキ…」
『そ、それ以上言わないでください…!!!』
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セシル(プロフ) - 雪幢さん» こちらこそまたお越しいただきありがとうございます!以前、コメントを返信できなくて申し訳ないです(T_T)今後の展開は一応浮かんでいるのですが、私もどうなるかわかってません(笑)今後ともよろしくお願いいたします(^^) (2015年11月26日 11時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
雪幢 - 更新ありがとうございます!グレンのことを大切に想っている主人公ちゃんがほんと健気でかわゆいです(*´`*) 原作読んでると、今後主人公ちゃんがどうなっちゃうのかと心配になります。。。今後の展開が楽しみです♪ (2015年11月23日 23時) (レス) id: f0aa761702 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - わざわざ質問答えてくださってありがとうございます!!!!!これからも応援しています(≧∇≦) (2015年8月14日 22時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ルカさん» そんなもったいないお言葉までいただき本当にありがとうございます(T_T)夢主は優たちと同い年ぐらいです! (2015年8月13日 19時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - すごくおもしろかったです!作者様は文才ありすぎですね!!!うらやましいです!グレンカッコイイ!あっすみません!1つ、質問いいですか?夢主ちゃんって何歳くらいなんでしょうか? (2015年8月13日 14時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2015年5月18日 22時