終わりのセラフ そんなこんなで巡る日々 【一瀬グレン】

第四十八話 かさばった悲しみを喪うまで ページ49

優一郎「グレン！！A！！」

『ゆ…優……』

消息不明になっていたAが、いきなり吸血鬼のところへ現れた。Aが戦うところを目にするのは初めてで、それでもAが強いことはわかった。グレンが敵わなかった相手に、ほぼ互角に戦っていた。
だが、そんなAまでもが吸血鬼に捕まってしまった。
このままじゃ、家族を同時に二人も失ってしまう……。

優一郎「くそっ……！！おい、みんな…俺が突っ込む！！援護を頼む！！」

グレンとAを助けるため、吸血鬼に向かっていこうとすれば、急に肩を掴まれた。

深夜「行っちゃだめだ。グレンとAちゃんは、捨てる」

優一郎「ふ…ふざけんな、てめぇ！！てめぇ、Aの兄貴なんだろ！？平気で妹までも見捨てんのか！！？」

深夜「っ……全員で彼を止めろっ！！これは命令だ！！！」

その時、シノアが持つ時計のアラームが鳴り響いた。

シノア「……優さん、５分経ちました。撤退です」

優一郎「…お…おい…冗談だろ、シノア。グレンとAが捕まっまんだぞ？俺ら、家族じゃなかったのかよ！！？」

チェス「こいつら、ワーワーうるさいなぁ」

ホーン「始末してよろしいですか？」

『そ…そんなことして…みろ……おまえら、絶対…殺す……』

クローリー「ちょっと君……黙ってよっか」

『っ！？』

グレン「A…！」

優一郎「A！！」

吸血鬼に首を絞められていたAは、グレンの方へ投げ飛ばされた。グレンがAを受け止めたものの、背中を強打したのか、Aは苦しそうに顔を歪めた。

ホーン「どうしますか？」

クローリー「うーん……ダメ」

チェス「えー、何でですかぁ？」

クローリー「あれ、フェリド君の案件かもしれないんだよねぇ……」

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