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第四十六話 紫水晶の夢の檻 ページ47

『……ん……こ、ここ……』

天邪鬼「目が覚めたか…A」

『!?……あ…天邪鬼……っ!』

俺の姿を捉えたAは、珍しく感情剥き出しで、俺に掴みかかってきた。

『どういう…こと……私が…吸血鬼って……どういうこと…!?』

天邪鬼「………」

『何か知ってるんでしょ……答えてよ!!』

天邪鬼「……ああ。おまえの中には、吸血鬼の血が流れてる……俺がおまえを、吸血鬼に変えたからな」

『っ……う…嘘……』

俺の胸ぐらを掴むAの手が下に降りる。Aの目には、絶望の色が見えた。俺は、そんなAの頬に手を添える。

天邪鬼「あれは…おまえがまだ幼い頃……《鬼呪装備》が完成して間もない頃だ。俺は、暇つぶし程度に外を徘徊していた。その時、《ヨハネの四騎士》に襲われるおまえを見つけた」

『《ヨハネの四騎士》に…?そんな記憶……』

天邪鬼「覚えてなくて当然だ……あの時のおまえは瀕死の状態だった……あの時、おまえが生き残る術は吸血鬼になるという選択肢しかなかった。だから、俺がおまえに吸血鬼の力を与えた」

『……ど…どうして…?あなたは貴族だったんでしょ…?なのに、何で人間の私なんか……』

天邪鬼「さあな……俺はあの時、何故か家畜であるはずのおまえに惹かれた。だから助けた……とはいえ、おまえを完全なる吸血鬼にするとなるといろいろと面倒になると思ってな……だから俺は、自ら《鬼》になることを選び、おまえの中にある吸血鬼の力を封じた」

『……人間として生きていられたのは……あなたのおかげだったのね』

天邪鬼「……俺が憎いか?おまえを人間から吸血鬼に変えた俺が……」

その問いに、Aは静かに首を横に振った。

『天邪鬼が私を助けてくれたから、今の私がある。あなたのおかげで、私は大切な人にも出会えた……それに、ずっと私を守ってくれたのもあなたでしょ?だから……憎むわけないじゃない』

天邪鬼「A…」

『私を人間として生かしてくれてありがとう、天邪鬼……もう一度……私に力を貸してくれない?』

天邪鬼「……言っただろう?おまえのためならなんでもすると……」

第四十七話 やっぱり淡い魔法だから→←第四十五話 ただひとつのうまれた日



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セシル(プロフ) - 雪幢さん» こちらこそまたお越しいただきありがとうございます!以前、コメントを返信できなくて申し訳ないです(T_T)今後の展開は一応浮かんでいるのですが、私もどうなるかわかってません(笑)今後ともよろしくお願いいたします(^^) (2015年11月26日 11時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
雪幢 - 更新ありがとうございます!グレンのことを大切に想っている主人公ちゃんがほんと健気でかわゆいです(*´`*) 原作読んでると、今後主人公ちゃんがどうなっちゃうのかと心配になります。。。今後の展開が楽しみです♪ (2015年11月23日 23時) (レス) id: f0aa761702 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - わざわざ質問答えてくださってありがとうございます!!!!!これからも応援しています(≧∇≦) (2015年8月14日 22時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ルカさん» そんなもったいないお言葉までいただき本当にありがとうございます(T_T)夢主は優たちと同い年ぐらいです! (2015年8月13日 19時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - すごくおもしろかったです!作者様は文才ありすぎですね!!!うらやましいです!グレンカッコイイ!あっすみません!1つ、質問いいですか?夢主ちゃんって何歳くらいなんでしょうか? (2015年8月13日 14時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2015年5月18日 22時

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