終わりのセラフ そんなこんなで巡る日々 【一瀬グレン】

第三十八話 それでもわたしは祈ってる ページ39

『………』

優たちと合流し、私たちは次なる任務を実行するため、クローリー・ユースフォード、チェス・ベル、ホーン・スクルドがいる名古屋市役所へ向かう。


そしてここは……精神世界……。


天邪鬼「……さっそく、死んだな……おまえの仲間」

普段となんら変わりのない天邪鬼は、口元に笑みを浮かべている。

『はは……なんだか嬉しそうね』

天邪鬼「人間は嫌いだからな。死んだところでどうとも思わない」

『……非情ね』

天邪鬼「……俺は……おまえのことを心配してるんだよ……A」

『………』

天邪鬼「俺のいる世界は、さらに歪んでしまった。空は青く澄んでいたはずなのに、今じゃ曇天模様……」

『……それが…なに？』

自嘲気味に笑う私を見て、天邪鬼は顔を顰めた。

『あなたのいる世界が歪んだから何なの？ねえ……教えてよ』

天邪鬼「………」

『……あなたはいつもそう……私に干渉してくるくせに、肝心な事を話そうとしない……あなたのいる世界と私の精神が関係している……それは、あなたの言っていた“本当の力”が関係しているんじゃない……？』

天邪鬼「………」

ここまで問いただしても、天邪鬼は口を開こうとしない。私はため息をつき、呆れたように肩をすくめる。

『……まっ、どうでもいいけど……私は…大切な人を救えれば……それでいい。あとは何もいらない……それに、あなたが私の味方ってことはわかりきってることだし……私に大切な人を守れる力を貸して……天邪鬼』

天邪鬼「……ああ……おまえのためなら、なんだってするさ……A……俺は何があってもおまえだけの味方だ」

『……ありがとう、天邪鬼』

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