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第三十五話 きみのキスは魔法みたい ページ36

『………』

名古屋へ近づくにつれて、景色はどんどん殺風景になっていく。元々、箱入り娘だった私は、渋谷を離れること自体、あまり経験したことがない。ましてや、人間の都市から離れた魔境の地など、行ったことはもちろん、自分が足を運ぶなんて想像したこともなかった。
こんなこと、父様や暮人兄様、征兄様が知ったらなんて言うだろうか……無事、渋谷に戻れたとしたら、恐らく……当分は外出禁止だろう。

【A、何をそんなに怯えてるんだ?】

(怯えてなんかいないよ)

【嘘をつくな……心が乱れている。おかげで、俺のいる世界はひどく歪んでいる】

(……いつ、仲間が死んでもおかしくない状況に、まだ身体と精神がついていけてないだけ……)

【……俺がいる限り、おまえは大丈夫だ……A、俺を信じろ……】

天邪鬼のおかげで、少しだけ心にゆとりができた。絶対、私の目の前で仲間を殺させたりはしない。必ず、勝って渋谷に帰ってみせる……。

グレン「……おまえでも緊張するんだな。肩に力が入りすぎだ」

『こんな時にしない方がおかしいよ……私たちが殺す吸血鬼って、名前なんだっけ?』

グレン「第十九位始祖メル・ステファノだ」

『……覚えにくい名前……』

グレン「おまえは相変わらず標的の名前を覚えられねぇな」

『殺す相手の名前なんて覚える必要ないでしょ』

グレン「……A」

『ん?……っ!』

外の景色から視線を外し、グレンの方へ振り向いた瞬間、グレンに唇を奪われた。

『なっ…なにを…!?じょ……状況わかってるの…!?』

グレン「おまえよりは把握している。それに、これが最後になるかもしれねぇからな……なんなら、もっかいしてやろうか?」

『っ!グ、グレンの馬鹿!!』

こうして、貴族殲滅計画が幕を開けた。

第三十六話 ふたりで笑いあえる幸せ→←第三十四話 シルバー・シンドローム



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セシル(プロフ) - 雪幢さん» こちらこそまたお越しいただきありがとうございます!以前、コメントを返信できなくて申し訳ないです(T_T)今後の展開は一応浮かんでいるのですが、私もどうなるかわかってません(笑)今後ともよろしくお願いいたします(^^) (2015年11月26日 11時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
雪幢 - 更新ありがとうございます!グレンのことを大切に想っている主人公ちゃんがほんと健気でかわゆいです(*´`*) 原作読んでると、今後主人公ちゃんがどうなっちゃうのかと心配になります。。。今後の展開が楽しみです♪ (2015年11月23日 23時) (レス) id: f0aa761702 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - わざわざ質問答えてくださってありがとうございます!!!!!これからも応援しています(≧∇≦) (2015年8月14日 22時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ルカさん» そんなもったいないお言葉までいただき本当にありがとうございます(T_T)夢主は優たちと同い年ぐらいです! (2015年8月13日 19時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - すごくおもしろかったです!作者様は文才ありすぎですね!!!うらやましいです!グレンカッコイイ!あっすみません!1つ、質問いいですか?夢主ちゃんって何歳くらいなんでしょうか? (2015年8月13日 14時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2015年5月18日 22時

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