終わりのセラフ そんなこんなで巡る日々 【一瀬グレン】

第三十話 リゼッタ ページ31

深夜「ふーん。相変わらず、強気でかわいいね〜。昔のグレンそっくり。じゃあやる？」

一瞬で雰囲気が変わる兄様に冷や汗が流れる。ピリッとした雰囲気の中、美十さんが話の流れを変えた。

美十「そんなことより、グレン。いったい、この子は誰ですか？やけにA様と親しいですし……部下にこんな口のきき方を許すのはどうかと思いますけど」

グレン「そうだな。おい優、全員上官だぞ。敬語で話せ。一応、Aにもな」

『一応って何よ……お言葉ですけど、私は優だけじゃなくて“グレンの上官”でもあるんだからね。敬語使えないのはどっちよ。だから優も、こんな礼儀のない奴に育つのよ』

優一郎「おまえ、失礼だな」

深夜「そうだぞ、グレン。上層部会議で君が敬語使えないから、僕とAちゃんがどれだけフォローに苦労してるか知ってるの？」

グレン「もうおまえら、渋谷に帰れよ。深夜、A。邪魔だ」

『……わたくしたち、お邪魔らしいですよ。深夜兄様』

深夜「あはは。いてほしいくせに〜」

苛立ちが頂点に達したのか、グレンはヘラヘラ笑う深夜兄様の頭を押さえつけた。

優一郎「俺、怒られるんじゃないなら、なんで呼ばれたんだよ？」

グレン「シノアにお仕置きするためだ。あいつは俺をなめてるからな」

優一郎「あー」

優の質問に、グレンはさらっと答えた。そんなグレンの言葉に、優もどこか納得のいった表情をする。

グレン「だが、同じチームになる以上、どちらが序列が上か教えておく必要がある。じゃあ、五士。幻術を展開しろ」

五士「ほいほい」

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