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第二十四話 予防線は崩された ページ25

天邪鬼「──A」

『何?』

天邪鬼「またおまえ、あいつに言いくるめられたな」

『……やめてくれない?そういう言い方』

天邪鬼「おまえは、単純だからな」

『あはは…そんな私に従ってるのは、だぁれ?』

そう笑いかければ、天邪鬼はバツ悪そうな顔をした。

『──ごめん、冗談……天邪鬼には感謝してる。天邪鬼がいてくれないと、私はダメだから』

天邪鬼「相変わらず、おまえは変わっているな。普通、鬼に感謝する人間はいない。俺たちを利用するだけ利用する……それが人間だ。おまえの周りがいい例だ」

『それは、何?兄様たちのこと?それとも……グレン?』

天邪鬼「……どっちもだ。現に、おまえはいいように利用されてる。同じ人間のくせにな」

『……お説教は終わり?そんなこと話したいわけじゃないんでしょ?』

天邪鬼「……柊暮人……あいつ、暇人なのか?吸血鬼を鬼に変貌させようなんて、無謀すぎる」

『兄様は悪趣味だから……さっき、グレンが兄様に呼ばれた。1人で来いって言われたって言って、1人で行っちゃったけど』

天邪鬼「そんなことはどうでもいいが……嫌な予感がする」

『嫌な予感?』

天邪鬼「人間どもの考えてることは分からないが……吸血鬼は、また行動を起こすだろう。それに伴って、死人が多く出る」

『………』

天邪鬼「おまえに、それが耐えられるか?」

『……私の大切な人は死なせない。そのために、私に力を貸してくれるんでしょ?』

天邪鬼「……おまえが望むなら、いくらでも力を貸す。だが、おまえはきっと、目の前で大切な人間が死ぬことに耐えられない。そして……力は暴走する」

『あなたが、私を乗っ取るってこと?』

天邪鬼「いや、俺はおまえを乗っ取るつもりはない。A……おまえはまだ、自分の本当の力を知らない」

『?言ってる意味がわからないわ』

天邪鬼「……おまえは知らなくていい」

『なにそれ…』

天邪鬼「おまえは気にするな。俺がついている限り大丈夫だ」


***


深夜「Aちゃん」

『あっ、深夜兄様……おでかけですか?』

深夜「もしかして、Aちゃん……グレンからなにも聞かされてない?」

『何の話でしょうか?』

首をかしげれば、深夜兄様は何かを考えるそぶりを見せ、口を開いた。

深夜「僕も、グレンから聞いたわけじゃないんだけどさ……」

深夜兄様の話を聞いた私は、目を見開かざるを得なかった。

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セシル(プロフ) - 雪幢さん» こちらこそまたお越しいただきありがとうございます!以前、コメントを返信できなくて申し訳ないです(T_T)今後の展開は一応浮かんでいるのですが、私もどうなるかわかってません(笑)今後ともよろしくお願いいたします(^^) (2015年11月26日 11時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
雪幢 - 更新ありがとうございます!グレンのことを大切に想っている主人公ちゃんがほんと健気でかわゆいです(*´`*) 原作読んでると、今後主人公ちゃんがどうなっちゃうのかと心配になります。。。今後の展開が楽しみです♪ (2015年11月23日 23時) (レス) id: f0aa761702 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - わざわざ質問答えてくださってありがとうございます!!!!!これからも応援しています(≧∇≦) (2015年8月14日 22時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ルカさん» そんなもったいないお言葉までいただき本当にありがとうございます(T_T)夢主は優たちと同い年ぐらいです! (2015年8月13日 19時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - すごくおもしろかったです!作者様は文才ありすぎですね!!!うらやましいです!グレンカッコイイ!あっすみません!1つ、質問いいですか?夢主ちゃんって何歳くらいなんでしょうか? (2015年8月13日 14時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2015年5月18日 22時

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