第二十三話 ずるいよ ページ24
『──して……はなして…!』
グレン「………」
グレンは、私の声に耳を貸さず、私の手を強引に引いて、ただひたすら前を歩く。
『っ……は、はなしてってば…!!』
私は、グレンの手を振り払った。私がとった行動に、グレンは乾いた笑みを浮かべながら、私の方を向いた。
グレン「今日は、ずいぶん突っかかってくるじゃねぇか……いつになく面白いぞ」
『……なんで、私をあの場に連れて行ったの?私に、知らしめたかったの?お前は真昼の代わりだって』
グレン「……たく、またそれか。おまえは、考えすぎなんだよ」
『考えすぎなんかじゃない。現に、私と真昼姉様は容姿がそっくりなんでしょ?』
グレン「ああ。そうだな。だが、それがどうした?真昼とおまえは、別モンだろうが」
『グレンは、私と真昼姉様を重ねてるんだよね?だから、私に近づいたんだよね?』
グレン「……おまえ、今日めんどくさい。こっちは徹夜だってのに、おまえの妄想に付き合ってられるか」
『答えてよ…』
グレン「もう黙れよ、おまえ」
そう言って、グレンは私の後頭部に手を回し、自分の胸に私の顔を押し付けた。
『や…!な、何するの!?』
グレン「あー…もう、うるせぇ。それ以上喋ったら、口塞ぐぞ」
『っ…』
ここは廊下……いつ人が通るかわからないのに、そんなことされたら、たまったもんじゃない。だから、私はおとなしく口を噤む。
グレン「A……俺は、おまえと真昼を、一度でも重ねたことはない」
『う、嘘よ……!!』
グレン「嘘じゃねぇよ。つーか、真昼は死んだっつっただろ?おまえ、死人に嫉妬してんのか?」
『ちが……だって、真昼姉様はグレンの…』
グレン「俺は、おまえの中にいる鬼に嫉妬なんて、くだらねぇ感情抱いたことねぇぞ」
『だから、ちがうってば…!』
グレン「まあ……大人な俺と違って、お子様なAちゃんなら、仕方ねぇか」
グレンは、不敵な笑みを浮かべて、私の頭を乱雑に撫でた。
グレン「A……おまえはもっと自信持て。おまえは、いいもの持っている。それに俺は、何度も救われている」
『?どういう意味?私が持ってるものって?』
グレン「…まあ、いつか教えてやるよ」
『今、教えてよ』
グレン「やーだね」
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セシル(プロフ) - 雪幢さん» こちらこそまたお越しいただきありがとうございます!以前、コメントを返信できなくて申し訳ないです(T_T)今後の展開は一応浮かんでいるのですが、私もどうなるかわかってません(笑)今後ともよろしくお願いいたします(^^) (2015年11月26日 11時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
雪幢 - 更新ありがとうございます!グレンのことを大切に想っている主人公ちゃんがほんと健気でかわゆいです(*´`*) 原作読んでると、今後主人公ちゃんがどうなっちゃうのかと心配になります。。。今後の展開が楽しみです♪ (2015年11月23日 23時) (レス) id: f0aa761702 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - わざわざ質問答えてくださってありがとうございます!!!!!これからも応援しています(≧∇≦) (2015年8月14日 22時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ルカさん» そんなもったいないお言葉までいただき本当にありがとうございます(T_T)夢主は優たちと同い年ぐらいです! (2015年8月13日 19時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - すごくおもしろかったです!作者様は文才ありすぎですね!!!うらやましいです!グレンカッコイイ!あっすみません!1つ、質問いいですか?夢主ちゃんって何歳くらいなんでしょうか? (2015年8月13日 14時) (レス) id: afde7ff475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2015年5月18日 22時