終わりのセラフ そんなこんなで巡る日々 【一瀬グレン】

第十七話 白昼夢もいつか ページ18

吸血鬼たちの新宿襲撃戦から……7日後。

「A……A……」

『何……天邪鬼』

天邪鬼「今日はいつになく、ボーッとしてるな」

『……考え事してた』

天邪鬼「ふーん……グレンのことか？」

『……まあね』

天邪鬼「……俺は、あいつ嫌いだ。あいつの中にいる……鬼もな」

『あはは……相変わらずだね』

天邪鬼「A、気をつけろよ……人間は、何を考えているかわからない。おまえみたいに、優しすぎる馬鹿は、良いように使われる……現にグレンの奴に…」

『あなたが、私に説教じみたことするなんて、珍しいわね……そんなに私が心配？それとも……殺されたいの？』

天邪鬼「……人間は怖い……おまえみたいな奴ばかりだったら、世界は崩壊しなかったかもな…」


＊＊＊


『──本当に怖いのは身内にいるけどね……』

「百夜優一郎特殊二等兵。新宿中央軍官舎一号執務室へ出頭しなさい。繰り返します。百夜優一郎特殊二等兵……」

もう一度、ベッドに潜って寝ようとした時、そんなアナウンスが流れてきた。

『優が……呼び出し……？』

私は、急いで制服に着替え、一号執務室へ向かう。その途中、偶然にもグレンに遭遇した。

グレン「A？」

『グレン──もう、安静にしてなくてもいいの？』

グレン「もう治った」

『見栄張ってるの？』

グレン「うるせぇよ。つーか、おまえ。何をそんなに慌ててんだ？」

『いや、あの……優が、一号執務室に呼び出されたみたいだから、心配で…』

グレン「ふーん……おまえ、いつの間に優に乗り換えたんだ？」

『べ、別にそんなんじゃ……変なこと言わないでよ…！』

グレン「まっ、どうでもいいけどな……気をつけろよ」

『う、うん……じゃあね』

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