第110話 つま先立ちの乙女心 ページ11
金造「おい、A。ホンマにええんか？」
『何がですか？』
金造「何がって……俺を家に招いてよかったんかって聞いてんねん」
俺の言葉に、ベッドに寝転がって雑誌を読んでいたAは「あぁ」といった顔をして、雑誌に視線を落としたまま言葉を続けた。
『父上なら、私のやる事に滅多に文句を言わないので大丈夫だと思いますよ。それに、今日は騎士團本部である会議で、帰りは遅いそうですから』
金造「……いや……そういうことちゃうねん」
『はぁ？じゃあなんですか。はっきり言わないなんて、金造さんらしくないですよ』
眉間にしわを寄せ、怪訝そうに俺を見るA。俺はそんなAに近づき、手首を掴んでベッドに押さえつける。仰向けになったAを見下ろせば、Aの澄んだ翡翠の瞳が大きく見開かれた。
金造「今の俺は……理性抑える余裕なんて無い……こうなること、想像してへんかったんか？」
『っ……』
金造「前も言ったやろ。お前はスキが無さそうにみえて、スキだらけやねん。無防備も大概にせえよ」
『……き…金造さんは……私が傷心していた時、側に居てくれた……だから、私も金造さんの為に何かしてあげたいって……思ったから……』
Aの目からは涙がボロボロと溢れ出した。突然泣き出したAを見て、我に返った俺は慌ててAを抱き起こす。「すまん！」と謝れば、相変わらずの強がりで「目にゴミが入っただけですから気にしないでください」とAは言った。そんなAを自分の方へ抱き寄せ、幼子をあやすかのように背中を軽く叩く。
“俺の為に何かしてあげたい”か───Aも可愛ええとこあるな。
金造「お前の気持ちはよう判った。今回は俺が悪かったわ。すまん」
『……金造さんが謝るなんて、明日は雨ですね』
金造「………」
前言撤回……相変わらず可愛げのない女や。
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真涼(プロフ) - part1から楽しみに読ませていただいておりました。再開のお知らせに大喜びしています。pixivさんの方に移行とのことで楽しみに待っております。多忙の中ありがとうございます。無理ない程度に頑張って下さい。 (3月23日 21時) (
レス) @page38 id: c3ea510f0c (このIDを非表示/違反報告)
無名 - この作品凄く大好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年6月22日 0時) (レス) id: 1643c4676a (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 面白いです。これからも頑張ってください (2020年2月21日 16時) (レス) id: 719a0b5f0f (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - まことのさん» 私なんかの小説で金造さんを好きになっていただけたなんて恐縮です（ ; ; ）ありがたいです。これからもよろしくお願いします (2018年5月1日 23時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
まことの(プロフ) - 初めまして、たまたま見つけて読み始めたところドハマりしてしまい時間を忘れて読み耽り…金造推しになってしまいました(*´д｀*)笑 素敵な作品に出会え幸せです。これからも陰ながら応援しています。 (2018年4月15日 13時) (レス) id: 93323a492e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2017年10月20日 12時
