第43話 愛してるよ、ごめんね ページ44
『こ、ここまで来れば……もう、大丈夫よね……』
どれだけ走っただろうか……ピンヒールでひたすら走ったおかげで、もうフラフラ。脚に力が入らない。
あーあ…久しぶりのデートだと思って、張り切ったのに……パンプス、ボロボロになっちゃった。
『あっ……雨……』
天を仰げば、私の頬に雨粒が落ちた。この疲れがたまってるって時に降ってくるなんて、どんだけ空気の読めない天気なんだ。
雨脚はどんどん強くなっていき、私は履いていたピンヒールを脱いで、裸足でホテルへの道のりを歩く。こんなところ、おじさまと次元が見たら怒るだろうなぁ。
『……次元、大丈夫かな……』
敵は三人……たった三人に殺られるような男じゃないだろうけど、少し心配だ。そんなことを考えながら歩いていたら、ようやく私たちが泊まっているホテルが見えてきた。やっと着いたと安堵の息をついたその時だった。
「A・リシャールだな」
『！？』
この激しい雨の中、いきなり私の名前を呼ぶ声が聞こえた。声に反応して振り返ろうとした瞬間、頭に強い衝撃が走った。
『っ……』
ズキズキと痛む頭を押さえながら、私はその場に倒れる。私が倒れたすぐそばに、血のついた鈍器が転がっていた。
……鈍器で頭を殴られたのか……私のことを殴ったのはロングコートを羽織った……たぶん、背丈からして男……。
男は、私が倒れたのことを確認して、その場から離れていった。
『ま、て……っ』
男を追いかけるために上体を起こそうとするも、頭部に鋭い痛みが走り、起き上がることすら出来ない。
あー……これ、やばいかも……。
「A……！！」
今度は、聞きなれた声が私の名前を呼ぶ。私は閉じかけた目をゆっくりと開く。
『……じ、げん……』
うっすらと目を開ければ、男が去っていった方向から、次元が走ってくるのが見えた。朦朧とする意識の中、珍しく焦った様子の次元が、必死に私の名前を呼んでいる気がした。
第44話 消えゆく酸素にお別れを→←第42話 時計仕掛けのエピローグ
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セシル(プロフ) - ロイドさん» お返事がたいへん遅くなり申し訳ありません！一応１０代後半で２０代には到達していないくらいです！ (2016年8月21日 2時) (
レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
ロイド - 夢主ちゃんは何歳何ですか？ (2016年1月28日 17時) (携帯から) (レス) id: c0288a584d (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 零羅さん» 貴重なご意見までありがとうございます！今の話のシリーズが終わりましたら、微力ながら零羅さまのご意見を参考にさせてもらいながら話を書きたいと思います(^^) (2015年12月21日 22時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
零羅 - すっごく面白いです!次元とのあま〜いからみが見たいです!できれば書いていただけないでしょうか?更新頑張ってください。応援しています！！！ (2015年12月17日 23時) (レス) id: e6e02b259e (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます！一人一人お返しできず申し訳ございません。なるべく返せるよう努力いたします。これからもどうぞよろしくお願いします。以上、管理人のセシルでした。 (2015年10月6日 21時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2015年1月19日 23時
