第18話 まるで血を浴びるように喝采さえ ページ19
三回裏。野球部の攻撃は仕返しと言わんばかりのバントの嵐で、あっという間にノーアウト満塁まで持ち込まれてしまった。
『……カルマ君』
私は、無言でレフトを守るカルマ君を見つめた。すると、カルマ君は何を思ってか、磯貝君と一緒に内野へと足を踏み入れ、前進守備の形をとった。
『……あ…なるほど……』
私はここでようやく、二回裏でカルマ君が挑発した意味を理解した。
理事長の許可が出た途端、２人は前進どころかバッターとゼロ距離で守備に入った。もちろん、進藤君が大きくスイングしたところで、２人にはかすりもしない。
完全に腰を抜かした進藤君のバッドにボールは当たるものの、宙に浮いただけで、カルマ君が難なくキャッチ。そして、カルマ君から渚君、渚君から木村君、木村君から菅谷君にボールが渡り、見事なトリプルプレーを決めた。
［ゲ…ゲームセット…！！……なんとなんと…Ｅ組が野球部に勝ってしまった！！］
矢田「キャー、やった！！」
中村「男子すげぇ！！」
『……よかった…』
速水「A、カルマの所行ってきなよ」
『……えっ…い、いや…いいよ』
中村「そうそう！凛香の言う通りだって！ほら、カルマも手振ってんじゃん！」
矢田「行っておいで、Aちゃん！」
私は、莉桜ちゃんと桃花ちゃんに背中を押され、グランドにいるカルマ君の目の前に差し出される形になる。
『………』
赤羽「あれ？俺に何か言うことないの？」
『っ……お…おつかれさま…』
赤羽「ん……Aもおつかれ」
『ありがとう……カルマ君…すごくかっこよかった……』
赤羽「ハハッ…もしかして惚れなおした？」
そう言って、カルマ君は私のことを自分の腕の中に閉じ込めた。その瞬間、「よくやった、カルマ！」と言う莉桜ちゃんを筆頭にＥ組からは歓喜の声が上がる。それに対して、本校舎の生徒からは悲痛な声と野次が飛んできた。
『……恥ずかしい…』
赤羽「いいじゃん……見せつけてやろーよ」
『……バカ…』
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麻鈴(プロフ) - いちいちいてるわけでもないのにそうやって人の気持ちも考えずにストレス発散にあらしてさ、なんなんだよって感じ (2019年6月30日 0時) (
レス) id: d8ae5f6605 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ - 荒らすやつは大体ストレス発散にやってるんだよな (2019年4月13日 18時) (レス) id: d8ae5f6605 (このIDを非表示/違反報告)
CareeeN(プロフ) - 最高ですーー！更新待ってます！！ (2019年1月22日 1時) (レス) id: 79b4e93acf (このIDを非表示/違反報告)
リゃー - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2018年8月8日 23時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
娑逆 - 更新楽しみにしてます。 (2018年3月26日 16時) (レス) id: b305f61f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2014年12月7日 6時
