嘘つき天使【平野紫耀】 (ページ9)

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「Aちゃん、紫耀にウザ絡みされて迷惑してるんやないん？」

「ウザ絡みってなに！友達だからあたりまえやん！」

『アハハ...』

イケメン2人に挟まれてぎこちなく笑う私。
両手に花ってこのことなんだな、なんて頭の片隅に考える。

私の隣を歩いているのは間違いなくあの憧れていた廉先輩で。

なんかいい匂いするし...！はにかみ笑顔眩しいし！なんて頭の中はお祭り状態で上手く言葉が出てこない。

永瀬先輩って呼んだら、紫耀の事は下の名前呼びなのに俺の事は呼んでくれないん？って言われて即座に変えてしまった。私もちょろいな...なんて苦笑してしまったけど。

『あの...廉先輩』

アスファルトの地面を見つめていた視線をゆっくり上げて隣を歩く超絶美男子廉先輩の横顔を盗み見ていると

ん〜？と眉を小さく動かして私の方を見る廉先輩と目が合ってしまい慌てて目を逸らす。

...最早紫耀先輩は空気みたいだ。

廉先輩の視線に小さく深呼吸をして心臓を落ち着かせる。

気になっていた疑問を小さく吐き出した。

『あの、こんないいんですか...？彼女さんとデートとか...』

可愛らしい彼女の隣を歩く廉先輩を思い出してズキリと心臓が痛む。そんな気持ちを誤魔化すように小さく唇を噛み締めた。

しかし、彼等は私を驚かす天才みたいで

「彼女？俺彼女おらんけど。」

不思議そうに首を傾げる廉先輩が居た。