嘘つき天使【平野紫耀】 (ページ8)

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「Aちゃん、かーえろ！」

放課後のチャイムが鳴った途端、私のお迎えをしてくれる王子様

否、紫耀先輩。

『もう少し目立たないように来てくれませんか...？』

「え〜俺とAちゃんの仲じゃん！」

ただでさえ私は目立ちたくないのに...！

背後から紫耀先輩のファンの子達の視線を物凄く感じる。
今すぐ逃げたい。ここから。

「今日は帰りAちゃんが行きたいって言ってたパンケーキ屋行こうと思ってたんだけどなぁ...」

『い、行きます...っ！！』

「ほんと！？」

しゅん、ってそんな効果音がつきそうな切なげな瞳で見詰められると思わず視線を逸らしてしまう。

私が首肯した途端に花が咲いたみたいに笑う紫耀先輩は喜怒哀楽が激しくて見ていて楽しいんだけど...

紫耀先輩といると、なんだか調子狂っちゃうんだよね...

「それに今日はスペシャルゲストをご用意してますっ！」

『げすと...？』

首を傾げるとふふんと得意げに笑った紫耀先輩はぐいぐいと相手の腕を引っ張って連れてきた

「はーやーく！」

「そのテンションだるいてほんま...俺せっかく部活オフなのに休ませる気は無いん？」

「ない！」

そんなテンポの良い、耳にすっかり聞きなれた関西弁に胸が高鳴る

『...っえ、』

私が口を開くよりも前に紫耀先輩が満面の笑みで彼の名前を零した

「永瀬廉くんでーす！」