六通目 ページ6
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同時刻、昼休み。心操人使は、小津Aを探していた。例の手紙を渡すためだ。
しかし、４時間目が終わった途端に教師よりも早く奇声をあげながら教室を出ていった小津Aが、もはやどこで何をしているか分からなかった。
それを見た心操人使は、今すぐ手紙を川に流して小津Aとも今後一切関わりを持ちたくない気分になったが、自分の下駄箱に入っていたのが何らかの理由があったからかと思うとそれもできない。憂鬱すぎて横っ腹が傷んだ。
昨日この手紙が自分の下駄箱に入れられてさえいなければ彼女に自分から関わることは一生なかったろうに。
「…なあ、小津さんって今どこにいると思う」
「エッ、小津さん！？」
比較的彼女と話す…いや、席が隣でいつもしくこく話しかけられるだけの生徒に聞いてみる。ああ、ほら見ろ。彼女の名前を出しただけでこの顔だ。どんだけ嫌なんだよ。
「…うーん…分かんないけど、食堂でご飯食べてるか学校の敷地内徘徊してるか…。後者なら大声で歌いながら走ってるだろうから分かりやすいと思うけど、何にせよめちゃめちゃ足速いし簡単には捕まえられないと思う…」
「…分かった、ありがとう」
食堂で飯を食べてるってのは分かるけど、『学校の敷地内徘徊してる』って選択肢はなんだよ。しかも『敷地内』って単語が出てるあたり、相当徘徊する範囲広いんじゃないのかそれ。USJまで行ってるんじゃないのかそれ。
というより、このだだっ広い敷地内を歌いながら走り回ってる不審者丸出しの生徒に声をかけたくない。
いっそプライドを捨ててヒーロー科の爆豪勝己に手紙を渡す方が、何倍も平和に事が収まる気がしてきた。
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染井芳野(プロフ) - 怠惰な強欲さん» コメントありがとうございます。すげー名前っすね。気になっていただけて嬉しいです。更新してきます。 (2018年4月10日 12時) (
レス) id: 235460ef5a (このIDを非表示/違反報告)
怠惰な強欲(プロフ) - つ、続きが気になります…！ (2018年4月9日 21時) (レス) id: 3ead34adf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：染井芳野 | 作成日時：2018年4月8日 19時
