四通目 ページ4
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嵐のようだった名も知らぬ女子生徒が去ると、食堂にはたくさん人がいるというのに先ほどの５割は静かになったように感じた。台風一過。
その女子生徒は体育祭で活躍できなかったのが不思議なほどのスピードで踊りながら人混みに消えて行ってしまったので、轟焦凍は彼女の素性を知ることはできず、伸ばした手は行き場を失った。
「…なんだったんだ」
本当にそうだ。
まあいい、腹が減った。と、轟焦凍はそばを頼みに行く。
あの嵐のような生徒が自分から名乗らなかったということは、名前を覚えてもらいたいわけではなかったのだろう。轟焦凍も、別に何か名前をめちゃめちゃ知りたいとか、会ったことがある気がするとか、どこかの大ヒットアニメ映画のような運命的なものを彼女に感じたわけではなかった。
轟焦凍には友人が非常に少なかった。
何を以て『友人』という関係になるのか、果たしてその定義はなんなのか。大抵の人間はそんなこと考えもしないだろうが、その時轟焦凍は考える。『友人』の隣の席に腰掛けながら。
「…緑谷」
「えっ！？な、なにかな轟君！」
「さっき、初めて会った女子生徒に『一緒に歌おう』って誘われて変な歌を歌ったんだ。ソイツの名前も知らないんだが、こういうのって普通の学校じゃ普通にあることなのか…？」
「えっ」
轟焦凍の視界の隅で、薄い金髪がピクリと動いた。
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染井芳野(プロフ) - 怠惰な強欲さん» コメントありがとうございます。すげー名前っすね。気になっていただけて嬉しいです。更新してきます。 (2018年4月10日 12時) (
レス) id: 235460ef5a (このIDを非表示/違反報告)
怠惰な強欲(プロフ) - つ、続きが気になります…！ (2018年4月9日 21時) (レス) id: 3ead34adf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：染井芳野 | 作成日時：2018年4月8日 19時
