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そして、なぜ『好きだった』と過去形なのかだが。
杏子ちゃんは、小学４年生の時に埼玉県に引っ越してしまったのだ。引っ越すと知った時は泣いた。号泣した。かっちゃんも半泣きで憤慨していた。
杏子ちゃんがいなくなってしばらくの間は、かっちゃんもしょっちゅうため息をついたり空いた席に向かって舌打ちしたりしていたけど…。小学校を卒業した頃には、杏子ちゃんのことはほとんど忘れていただろう。僕は杏子ちゃん以外に強い印象を持つ友達はいなかったから、今でもよく覚えているけど。
…そして、そんな長い長い前置きはさておき。僕の現在の話をしよう。
僕は、雄英校内に足を踏み入れた茶髪の女子の背中を見つめながら、そんな杏子ちゃんのことを思い出していた。転びそうになった僕を支えてくれた名前も知らないその女子の髪質や大きな目が、なんとなく杏子ちゃんに似ていたから。
杏子ちゃんとの思い出が走馬灯のように蘇ってきて、少し切ない気分になった。彼女もヒーローを目指していたから、ひょっとしたらこの試験会場に…なんてことを考えて。
…あの時のままの彼女なら雄英高校ヒーロー科に受かることだって、きっとできないことではない。そう思うと、なんだかやる気が出てきた。
「よ、よし！待っててね杏子ちゃん！！僕も絶対受かってみせる！！」
そもそも試験会場にいるかすら分からない小学４年生の彼女の記憶に向かって、ガッツポーズを向けた。
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みかん - え、すごい面白い…独特なのにめっちゃ面白いです！頑張ってください！！ (2018年3月14日 17時) (
レス) id: 4389491407 (このIDを非表示/違反報告)
タラバガニ - 他の小説とは違った魅力に溢れてますね！ 本当に面白いです！ 好きです！← 応援してます！ 頑張って！ 下さい！！ (2018年2月25日 10時) (レス) id: 74808f0e2e (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - 新しい斬新さに惹かれました！最初は名前変換無いのかと思いながら読みましたが、そんなの関係無しにハマりました！いつか轟くんとの絡み楽しみにしています！！！これからもサイト頑張ってください！ではっ♪ (2018年2月5日 8時) (レス) id: 12879f1d64 (このIDを非表示/違反報告)
わたみず(プロフ) - なんだこの面白い小説...w 更新頑張ってください！ (2018年1月25日 23時) (レス) id: f57990a05b (このIDを非表示/違反報告)
ブロック(プロフ) - 何この狂気に満ちた世界観。すごく好きです頑張ってください！ (2018年1月14日 12時) (レス) id: 3e892ea4a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：染井芳野 | 作成日時：2018年1月9日 12時
