９話 ページ9
「えーと、おじゃましま〜す？」
コンコン。シャロンが、軽くドアをノックする。
「駄目よ、そんな悠長にやってらんないわ」
そう言うと、アンナは躊躇いも無くドアを蹴っ飛ばした。
(無理矢理)開けられたドアの、その先には。
「・・・え？
A、カムイ・・・？」
予想もしない人物が居た。
「こんな所で何してるの？でも、無事に見つかって良かったわ・・・何だ、貴方達なら、死霊術師なんて嘘っぱちじゃない・・・
ねぇ、一緒に、」
帰りましょう、という言葉は、
突然の発砲音にかき消された。
「え・・・！？ちょっと、A！？わ、私よ、アンナよ！？ねぇ、忘れちゃったの！？」
Aがブレイザブリクを構え、冷たく紅い瞳でアンナを見つめる。
引っ切り無しに発射される魔力弾に、アンナは避けるので精一杯になっていた。
「アンナさんっ！？きゃあっ！！」
アンナの元に駆け寄ろうとしたシャロンにも、魔力の弾が降りかかる。
「Aさん！？一緒にご飯を食べた仲じゃないですか！思い出して下さいよぉ！！」
シャロンの必死の呼び掛けにも、応えない。
「か、カムイ！彼女を操ってるのは、貴方なの・・・？
お願い、止めて頂戴。私達、貴方達と一緒に帰りたいだけなのよ・・・！」
「・・・操ってる、だなんて。
Aさん・・・」
カムイが、ふらりと立ち上がり、口を開く。
その声に導かれるようにAがカムイに駆け寄った。
「・・・あの二人が僕の敵だと、思ってくれたんだね？優しいね、ありがとう」
『―――♪』
頭を撫でられて幸せそうな顔をする彼女に、先程の冷酷さは感じられない。
「これは一体、どういう、事なの・・・？」
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作者名：竜宮染里 | 作者ホームページ：http://yoru
作成日時：2021年10月7日 22時
