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肆拾弐輪目 ページ44
叫んで喚いたところで門は開かない。
何よりも先にこの瘴気を浄化しながら少女を治療せねばいけない。
静かに眠る少女を抱えたまま、あの玄関を開ける。
岩融様はまだ立っていた。
靴を脱いで、黙って柱と法衣を縫い付けていた矢を抜く。
それから、斬り倒した襖を霊力で直しながら廊下を進む。
あと半分というところで隠し扉を見つけた。
開けると、中は埃１つ無い。
周囲に誰も居ないのを確認してから中に入り、扉を閉めた。
暗い階段を登っていくと、屋根裏部屋に着いた。
こちらも埃１つ無い。
着ていたスーツのジャケットを丸めて枕代わりにし、少女を寝かせてから室内を見回す。
小さな卓袱台。
洋燈。
それから、キャンバスや絵の具。
考えるのは後にしよう。
今は少し眠ろう。
双剣を両脇に置き、いつでも抜ける様にしてから目を閉じた。
続く
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作者名：蒼麻 | 作成日時：2018年2月20日 20時
