【ObeyMe!】好いた君の無理が欲しい【ソロモン】 (ページ9)

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変容 #1 ページ9

私の部屋に窓はあるが日光は入ってこない。

というか魔界では大半が太陽とは無縁の土地柄である。

そのため、花を管理する上でまずは人工的な光源を入手する必要があった。

「植物育成ライトみたいなのって魔界にもしない？」

「そもそも魔界の植物は太陽光を必要としてないしね……でも、擬似的な太陽光を発する道具はこっちでもあるよ。魔法薬の生成に使ったりするから」

何台も設置された液晶パネルの一画面にAkuzonのページを表示して、レヴィはカタカタとキーボードを鳴らしていく。

数秒後には何種類もの商品が提示された。

詳細を確認し、サイズや値段が条件にあったものを購入する。

「ま、明日には届くんじゃない？光と水があったら多少は長生きすると思うよ」

「ありがとうレヴィ」

「どーいたしまて……で、本当にそれって魔女からのプレゼントなんだよね？」

じっと見つめてくるレヴィは、いつの間にか出していた己の尻尾を私の腰にギュッと回す。

悪魔が無意識に変身する際、感情が昂っていることが多い。

レヴィの場合はすごく喜んだ時かすごく怒っている時。

今回は明らかに後者であろう。

「もーまだ疑ってるの？というか私とソロモン、別に花を送り合うほどの親密さじゃないから」

「親密じゃない相手とデートに行くのか！」

「いやだから結局中身はショッピングだったわけで……」

彼を宥めながら尻尾を外そうとするも、固く締め付けるそれは私の力ではどうしようも出来ない。

「心配しなくたって、遊んだ回数も勉強した回数もレヴィの方がずっと多いよ。たまたま今日はソロモンに講義で手伝ってもらって、その流れで一緒に買い物へ出かけただけ」

「ま、まぁ僕は伊吹の親友だし……」

「そうそう、だから今回も私の相談に乗ってくれたわけでしょ？ありがと、助かったよ」

私の言葉でようやく冷静になれたのか自身の状態に気が付き、顔を真っ赤にさせ謝りながら人間の姿に戻る。