【ObeyMe!】好いた君の無理が欲しい【ソロモン】 (ページ4)

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最強魔術師と凡人と #4 ページ4

「人間にしては、ソロモンってイケメンじゃない？」

「まあルシファー様には劣るけど確かに綺麗だよね」

「私も契約してくれないかな〜」

サキュバスたちの黄色い声が耳に届いた。

彼女たちの態度に浮かれている様子は見えず、スタスタと進む。

突き刺さるような視線を避けながら、慌ててソロモンの後に続く。

悪魔と人間は生態も文化も違いは多いが、美への感情は両者に共通するものがあるのだろう。

優雅に歩くソロモンの姿へ、悪魔たちは憧憬に近い眼差しを送っていた。

彼の隣を歩くのが申し訳なくなるくらい、彼は美しい。

清々しく輝く銀の髪も、夜に溶け込むような青の瞳も。

人間界じゃ滅多に見られない容姿は、悪魔や天使に並んでも遜色のない出来栄えである。

「この後何か用事は？」

「ううん、何も」

「じゃあ俺とデートでもしない？」

「何それ……まあ、別に良いけど」

挨拶を投げかけるような気軽さで、私に逢瀬を申し込む。

デート、という単語がまさか彼の口から出たものとは思わず、一瞬脳が機能を停止した。

思わず立ち止まった私を相変わらずニコニコと眺めている。

冗談ではないらしい。

ソロモンの突拍子のない行動は今に始まった話ではないが、何か変なものでも食べたのか。

ついに彼の料理が彼に何らかの作用をしたのか。

真実は定かでない。

「何それ……まあ、別に良いけど」

チラッと時計を確認する。

今日は夕食当番でもないため、時間にはある程度の猶予があった。

普段、兄弟の付き添いなしでの外出は禁止されているが、ソロモンが一緒なら彼らも文句を言うまい。