最後の彼 ページ8
無事に購買でおにぎりやパンをゲットし
樹たちに「こっち!」と連れらるまま
ここにきた。
「屋上…?」
立ち入り禁止と書かれた札のついたチェーンを跨ぎ、
階段を上ってドアノブに手をかける。
キィィと軋む音。
そして開ける視界。
「いい天気〜」
きょもが気持ちよさそうに言った。
そして、
「あ!北斗!」
屋上の柵を背もたれにして本を読んでいる彼。
あぁ、ここは彼らの特別な場所なんだ。
「あれっ北斗ごはんは??」
ジェシーが駆け寄る。
「お前ら遅いんだよ、もう食ったわ。」
なんとなく、近づきづらい雰囲気の彼。
だけどみんなが駆け寄ると、
その雰囲気は一気に柔らかくなった。
「緋織!なにしてんの!」
「そうだよ!こっちおいでよ緋織ー!」
樹とジェシーに呼ばれて、みんなのところに向かう。
また視線を感じて、その方に目線を動かすと
また彼がこっちをずっと見ていた。
「……一緒に、いい?」
なんとなく他のみんなよりも距離を感じて
伺うように聞いてみる。
「好きにしたら?」
彼は目線を本に戻して、あたしの顔も見ずに言った。
「……どうも。」
居ても良いのか悪いのか、
よく分からないし表情も読めない。
すると
「北斗は人見知りなの、大丈夫だよ」
高地が優しく弁解した。
「それで、緋織はどっからきたのー?」
あたしが座るとジェシーが待ってました!というように
勢いよく質問してきた。
「…あーえっと…東京?」
「いや、ここも東京だし!」
慎太郎が突っ込む。
「てかここ編入できんだねー」
樹が言うと
「たしかに。初めてじゃない?編入生。」
高地が言った。
「確か先生が試験?満点だったって言ってたよ」
きょもの言葉にみんなが、え!!!!と声を張り上げた。
「え!編入にテストあるんだ!」
慎太郎がそう言うと
「ばーか、みんな入学の時試験受けてんだろ?」
本をパタンと閉じ彼が笑いながら言った。
「北斗、本はいいの?」
「うるさくて読んでらんねーよ」
高地の声に彼は優しく答えた。
730人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:hiori | 作成日時:2019年10月3日 2時