ミッション ページ33
ジ「あー北斗ね、まだ寝てる」
き「多分イヤホンしてるでしょ」
慎「だねー、北斗したまま寝るもんね」
高「あ！だからさ、緋織、北斗起こしてきてよ」
「あたしが？」
樹「大丈夫、俺みたいに寝起き悪くないから笑」
そう笑いながら樹にあたしは背中を押され、
北斗の寝ている部屋に向かった。
ｺﾝｺﾝ
「北斗ー開けるよー？」
静かにドアを開け、ベッドを見ると
枕に顔を半分埋めてイヤホンをしたまま熟睡してる北斗。
改めて見ると綺麗な顔。
少し緊張しながら北斗に手を伸ばす。
「北斗、起き────きゃ…っ！？！？」
北斗の肩に手を置いた瞬間、
あたしの視界は反転し背中には柔らかなベッドの感触。
びっくりして瞑った目を恐る恐る開けると、
あたしの上に北斗が跨っていた。
「────あ…え？…ほ、ほく、と？？？」
何が起こったのか、今どんな状況なのか
いまいち理解できないあたし。
北「…んっ……おまえか……」
まだ眠そうな北斗は片目を手で覆いながら
ん……と掠れ声で呟く。
「あの、北斗……？」
未だにあたしに跨ったままの北斗。
首元が大きく開いた白のTシャツからは
綺麗な鎖骨がチラチラ見える。
なんだか急に恥ずかしくなり
堪らなくなったあたしは顔を横に逸らした。
北「…寝る、よ……？」
「え？」
視界から北斗が居なくなったかと思えば
突然ベッドが軋み、隣でボスッと音がした。
「えっ…！北斗！？」
次の瞬間、北斗はあたしの手首を掴み自分の顔に寄せると
あたしの手に顔を埋めるようにして寝始めた。
しん…と静まり返る部屋で北斗の微かな寝息がはっきり聞こえる。
掴まれた手首がどんどん熱くなるのを感じながら
北斗の顔を見ると、穏やかな表情の綺麗な寝顔があった。
どこからか聞こえる自分の鼓動が徐々に速くなるのを感じる。
掴まれた手首を外そうと少し力を入れるけど
気持ちよさそうに寝る北斗が可愛くて
すぐに外すのは諦めた。
お願いだから、あたしの心臓の音が
寝てる北斗に聞こえませんように、と願いながら
あたしは自分を落ち着かせるようにそっと目を閉じた。
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作者名：hiori | 作成日時：2019年10月3日 2時
