甘くない ページ24
北斗の借り物は何だったのか、
モヤモヤした気持ちは結局みんなの応援で
すっかり忘れてしまっていた。
借り物競争のあと、
北斗はバスケ、リレー、学年対抗リレーと
休む暇もなく駆り出され、疲労困憊の様子。
そんな北斗のおかげもあって、
あたしのクラスは総合優勝。
北斗は1年生なのに上級生達を抑え
MVPにまで選出された。
そんな体育祭が終わって、はや1週間。
ついにアレがやってきた。
「お前らなぁ…
運動神経だけ飛び抜けて良くても進級できないぞ？」
帰りのホームルーム中、先生が呆れ顔でクラス中を見回す。
「まったくよー。今回の小テスト、北斗とAのおかげで
平均点上がってるようなもんだからな？」
樹「えー北斗また良い点とったの？」
北「いや、そーでもねーよ」
慎「そんな事言っちゃってー！で、何点？」
ジ「ヤバイよマジで。俺史上最高に悪い！」
き「まあ今回難しかったもんね」
高「…今回取れる気がしねーよもぉー」
慎「うわっ！北斗90点だって！」
ジ「えー！さっきの"そーでもねーよ"って何！？」
北「ジェシーお前、いじんなよ笑」
「言っとくけど、今回のトップはAだからな？お前ら真面目に勉強しろ！平均点以上じゃないと夏休み補習すっからな！」
慎「えー！無理無理！やらんやらん！」
樹「やらんって言うか、お前はやらされる側だっつーの笑」
き「…今回ほんとにやばいかも」
高「マジで俺もやばいよ」
ジ「てかさ、緋織は何点だったの？」
みんなの視線があたしに集まる。
慎「さぁさぁ緋織ちゃん？テスト用紙見せなさい？」
ジ「みんなそんな期待してないから大丈夫だって！」
樹「いや、北斗より良い点なんでしょ？緋織」
き「…頭いいんだ、緋織」
みんながジリジリ迫ってきて、あたしは
テスト用紙を咄嗟に鞄にしまおうとした。
北「はい、没収ー」
興味無さそうにしてくせに、
北斗があたしの手から用紙を奪うと
あたしが届かない所まで手を上に伸ばす。
それをジェシーが受け取ると、
ジ「げ！！！！緋織100点じゃん！！！！！」
と教室中に響く声で言った。
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作者名：hiori | 作成日時：2019年10月3日 2時
