＊ (You) ページ2
桜が満開になったある日の深夜
最近夢に出て来るようになった公園に足を運んでみた
ライトアップはもう消えていて所々に灯っている街灯を頼りに歩を進め夢に出てきたベンチを見つけ出し身を預けてみた
春とは言え微かに吹いている風はまだ冷たく無防備な頬を容赦なく冷やしていく
それでもその場から動く事が出来ないまま時だけが過ぎていくから1時になったら帰ると決め夜空をぼーっと見上げていた
背の高い公園時計が1時を指した事を確認し重い腰を上げた瞬間背後から誰かに両肩を掴まれ再びベンチに座らされた
「誰…？」
って震える声で尋ねると…
TH「俺」
って聞き覚えのある低い声が耳をかすめ振り返る前に背後からギュッと強く抱きしめられた
TH「A見っけ」
かくれんぼでもしてた？
TH「やっと見つけた…」
「あの…どなたですか？」
知らない男性に抱きしめられているのに何故か冷静な自分が居て…
でも何だか懐かしくて逃れる事が出来ない
TH「忘れたふり？
あんなに愛し合っていたのに」
明るい口調だけどどこか悲しげな声に聞こえ胸がキュッとなった
「あの…
どなたかとお間違えではありませんか？」
TH「俺がAを間違えると思うの？」
「確かに私はAと言う名のようですがきっと人違いだと思います」
私を解放した男性は前に回り込んで来て私の顔を凝視
私…この人知ってる…
TH「Aと言う名のようってどういう意味？」
「実は昨年事故に遭って記憶をなくして…
それで周りの人間が私の名はAだと教えてくれたのでそう言う表現を…」
TH「あぁ…そっか…だから…」
男性の目からは大粒の涙が流れ落ちているけどその表情は安堵感に満ちている
「どうして泣いているんですか…？」
TH「Aを見つける事が出来てほっとしたのもあるんだけど…
何よりAの意思で俺の前から消えたんじゃないって事にほっとしたんだ
あぁ…ダメだ…涙が止まんない…
ほんとカッコ悪…」
恥ずかしそうに涙を拭う男性から目が離せないのは世界一のイケメンさんだから？
「あなたはBTSのVさんですよね…？」
って尋ねると涙を拭う手を止めた男性はふて腐れたような表情で首を横に振った
「違うんですか？」
TH「違うよ？
今ここに居るのはテヒョンだ」
「え？」
Vさんの本名はテヒョンって事？
オンオフで使い分けが必要って意味なの？
私は混乱と言う名の森に迷い込んだ
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雪華(プロフ) - かるぼならさん» お読みくださり本当にありがとうございます！頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2021年11月9日 13時) (
レス) id: 92dc25f763 (このIDを非表示/違反報告)
かるぼなら(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張ってください！！ (2021年11月9日 8時) (レス) id: 648659bb27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪華 | 作成日時：2021年3月8日 1時
