心の目 (ページ4)

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僕らの大切な弟1 ページ4

和side
ゴソゴソッ…
和「んー…」
ゴソゴソゴソッ、ぎゅっ…
和「んう…？」
？「ふふふっ♪」
和「う、うわあ！？」
？「あー、起きちゃったー・・・」
ある朝、布団に誰かが入ってくる感覚と、小さな笑い声で思わず飛び起きた。
こんな起こし方をするのは潤しかいない。
潤「かずにぃ、起きちゃだめー。」
そんなこと言われたって起きるよ、自分の布団にこそこそ誰か入ってきたら。
しかももう朝ってことでほとんど目覚めてたんだよね、俺。
和「潤、早いねー。」
潤「うん。
かずにぃのこと起こしてきてーってまさにぃが。」
起き上がった俺の膝にちょこんと座った潤が嬉しそうに笑う。
和「そうなんだね、起こしてくれてありがとう。」
潤「でもねー、今度は起こさないようにそーっと入るね♪」
いや、心臓に悪いから、入ってくるときはぜひ堂々とお願いします。(笑)
．
弟の潤は、小学1年生。
いろいろと抱えているものが大きくて、不安定になることも多いけど、
天使みたいな笑顔がとっても癒し系。
でも、未熟児で生まれて、身体がとても弱いんだ。
1年生の平均的な身長や体重、体力をかなり下回っている。
今でもしょっちゅう入退院を繰り返していて、
辛い思いもいっぱいさせちゃってるんだよね。
喘息や心臓病も持っていて、正直可愛そうになることもある。
それでもここまで元気に育ってくれたのは、
俺たちがというよりは潤が強かったからだと思ってる。
身体は小さいけど、大人でも耐えがたい試練を超えて見せる精神力は、
周りに勇気を与えてくれるんだ。
そんな潤が大好きで可愛くて、
俺らは歳を重ねるごとに親バカ、いや兄バカになってるのは自覚してる。
いいんだ、今更引き返すことなんてできないんだから。
とことん兄バカになるつもり。(笑)