心の目 (ページ27)

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高熱4 ページ27

智side
夜も遅くなり、潤の熱は39.3℃まで上がってしまった。
上がり切ったようだから、今から解熱剤を入れようとしているところ。
珍しく今回は呼吸は安定してる。
油断はできないけどね。
和「俺、針刺しするからサポートお願いね。」
潤に注射をするのは圧倒的に和が多い。
小児科医で潤の主治医ってこともあるけど、
この家で一番針刺しがうまいんだ。
潤の血管ってすごく細いから。
潤「あっ、やぁ・・・ふぇっ・・」
何かを察知した潤が、イヤイヤと身体をよじり始めた。
注射は苦手だからね。
サポートする人がいないと一人ではできない。
まぁ子供ってみんなそんなもんだろうけど。
翔「ごめんなー、ちょっとぎゅってさせてよ。」
僕と同じく助っ人を頼まれた翔が、
潤に覆いかぶさるようにして身体を固定する。
身体が密着してるほうが安心なのか、
潤の抵抗も少ないことを僕らは知ってるからね。
潤「…たいの・・やぁ…」
翔「そうだよなー。
でもこれしたらばい菌さんやっつけられるからね。ちょっと頑張るよ？」
智「和にぃ上手だからね。すぐ終わっちゃうよ？」
僕が腕を抑えて和が手の甲にさっと消毒をする。
和「よしいくよ？いちにーのさん。」
潤「んっ・・うえぇぇーーん！！」
針が刺さった瞬間、がっちがちに全身に力が入る潤。
力を抜けたらもう少し痛みましになるんだろうけどなぁ・・・
そんな潤の身体を翔と僕でさすってやりながら、点滴の固定が終わるのを待った。
和「おしまーい。頑張ったねー潤。
もう痛いのしないからね。」
点滴パックに繋ぎ終えた和が、そっと抱き起してあげている。
潤もすぐに落ち着いて、和の腕の中でウトウトし始めた。