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恋して 8日 ページ8

***


太宰さんの事で、少し……否、かなりモヤモヤしていた。

頭もまともに回らず、仕事には手がつかない。
そんな中、太宰さんはいつも通り国木田さんを振り回している。

僕は、Aさんが好きなのにも関わらず、
彼女の考えがちっとも分からない。

Aさんは、あまり表情が豊かな方では無いというのもあるが、僕の緊張からもある。

其処で。



『敦君』



と、軽やかな可愛らしい声がした。
勢いで振り向けば、やはりAさんだった。



「あっ………お疲れ様です!」

『うん、お疲れ様』



するとAさんは、ピラリと持っていた紙を僕に見せて、説明をする。



『敦君。武装探偵社は色んな企業と関わる事は知っているよね?』

「はい、国木田さんにみっちりと……」

『それは何より。其処で関わりが深い企業には社員の情報を送っておくんだ。

 これはその書類。生年月日と年齢と名前かな。
 今、書いてもらってもいい?』

「はい!分かりました…」



渡された書類には、僕の顔写真も貼ってある。

僕は、サラサラと書類を書いて、Aさんは隣で見ている。何だか地味に恥ずかしい。

其処で、Aさんは気がついたように話す。



『敦君って18歳なんだ』

「はい。すいません…子供っぽくて………」

『否、そうじゃないよ。私も18だし』

「あっ、そうなんですか………えっ?18!?」



サラリと出てきた言葉に思わず驚いた。
18には見えない程に大人びていたからだ。

しかし、Aさんは何処と無く嬉しそうだった。



『まさか敦君と同い年とはね…………。
 ねぇ敦君』



Aさんは、屈んで、座る僕に視線合わせてから
ちょっぴり楽しそうに告げた。



『私の事、“さん”じゃなくてさ、
 “ちゃん”付けで呼んでくれない?』


***

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推し丸様☆(プロフ) - 敦くんの話、最後まで良かったです!読むのがすごく楽しかったです!作者さんが活動休止、辞めるということはさみしいし、とても悲しいですけれど、最後まで連載、無理しない程度に頑張ってください!ずっと応援しています! (4月7日 21時) (レス) @page32 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主様がお休み?になるのは寂しいですが、もう一方の連載も頑張ってください!!!楽しみにしてます!!お体には気をつけて!! (4月7日 20時) (レス) @page32 id: 140287e0ee (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 推し丸様☆さん» いえいえ!此方こそご許可ありがとうございました!お互い、頑張りましょうね! (3月29日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
推し丸様☆(プロフ) - そこら辺の壁さん!宣伝ありがとうございます✨もっともっと、楽しいなと思っていただけるよう頑張りますので、どうかあたたかく見守っていただけたらと思います!(*˘︶˘*).。.:*♡ (3月29日 21時) (レス) @page20 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - wakaさん» コメントありがとうございます!時々waka様にはコメントをいただけて、凄く励みになっております!これからも応援よろしくお願いします! (3月20日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そこら辺の壁 | 作成日時:2024年3月15日 21時

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