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恋して 6日 ページ6

***


その後、Aさんは買い物へと去っていった。
何だか……不思議な感覚だ。

僕も鍛練が終わったので、少し休んでいた。
そして、その不思議な感覚について考える。

どうしてあの時、モヤッと言うか、イラッと言うか、ちょっとした不快感を感じたのだろう。

分からない。でも、何か、特別である事は_______



「あーつーしーくぅーん!」

「………え?」



幾度も聞き覚えのある声の方へと振り向けば。



「やァ、困り事かな?」

「ま、また入水を……………?」

「失敗したけどね。
 居酒屋のおじちゃんが助けてしまったよ」



びしょ濡れの太宰さんが立っていた。



「ふふん、敦君。困っているね?
 たまには先輩として相談に乗ってあげよう!」



太宰さんは、自信満々に胸を叩く。
僕は、先程感じた思いについて、太宰さんに語った。


***


「嗚呼、Aのことか」



太宰さんは、そういって僕から視線を外した。
暫くの沈黙があってから、太宰さんは話を続ける。



「敦君にとって、大切な人はいるかい?
 この人だけは、どうしても守りたいって人」

「…分かりません。僕はずっと、一人でしたし……」



太宰さんは、「ふぅむ」と声を鳴らして考えてから。「では、質問を変えよう」と言った。



「敦君。恋を経験したことは?」



僕は、暫く固まった。
そして、顔が一気にぶわっと熱くなったからだ。



「ほほう、あるんだぁ〜?」

「否っ、別にそういう訳ではなくて!!
 偶々浮かんで来た人物に、何だか…………」

「なら、当てて見せようか」

「え?」



太宰さんは、ニヤリと微笑めば、僕を指差し、
得意気に言った。



「今、脳内に浮かんだ人物………………。
 
 それは、Aだろう?」


***

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推し丸様☆(プロフ) - 敦くんの話、最後まで良かったです!読むのがすごく楽しかったです!作者さんが活動休止、辞めるということはさみしいし、とても悲しいですけれど、最後まで連載、無理しない程度に頑張ってください!ずっと応援しています! (4月7日 21時) (レス) @page32 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主様がお休み?になるのは寂しいですが、もう一方の連載も頑張ってください!!!楽しみにしてます!!お体には気をつけて!! (4月7日 20時) (レス) @page32 id: 140287e0ee (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 推し丸様☆さん» いえいえ!此方こそご許可ありがとうございました!お互い、頑張りましょうね! (3月29日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
推し丸様☆(プロフ) - そこら辺の壁さん!宣伝ありがとうございます✨もっともっと、楽しいなと思っていただけるよう頑張りますので、どうかあたたかく見守っていただけたらと思います!(*˘︶˘*).。.:*♡ (3月29日 21時) (レス) @page20 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - wakaさん» コメントありがとうございます!時々waka様にはコメントをいただけて、凄く励みになっております!これからも応援よろしくお願いします! (3月20日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そこら辺の壁 | 作成日時:2024年3月15日 21時

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