西のヘタレ、振り向いてほしいので頑張ります。【文スト】【完結】

恋して　24日 ページ25

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敦君を見送り、改めて窓に目を向ける。



_____『なんで……泣いてるの……』

________「分からない…です……」



彼は、私のことを思って泣いてくれた。



__________「全部が、怖くなって……」



私がいなくなること。消えてしまうこと。
それが怖い。

そう感じると不器用ながらも伝えてくれたこと。
そう思ってくれていたこと。

とても嬉しかった。


頭を撫でたり、褒めてあげたりすると、
あどけなく笑う笑顔は可愛くて。

人を思いやる気持ちは人一倍で。

いつも何事も全力で取り組んでいて。

困ったときや不安なとき、それを読み取って、
声をかけてくれて。

そんな所が、格好良くて。



『………好き、だなぁ………』



気が付けば、私は恋に落ちていて。
いつの間にこうだったのだろう。

敦君といる時間は、如何しようも無い程幸せだった。

話すのが苦手な私でも、スラスラと言葉が出てきて、自分から話しかけれる様になって。

ここ数ヶ月、止まっていたものが大きく成長した。

すると、明るい音が部屋を包む。
メールの通知音だった。

携帯を手に取り、覗いてみれば敦君から。



「いきなり失礼します。
　今日、言いそびれてしまった事なのですが、
　無理はしないでほしいです。

　僕や仕事よりも自分の体調を優先して、
　Aさんのペースで回復したら戻ってきて下さい。ずっと応援してます！」



この為だけに、態々メールをくれる。
何だか、心暖まる。

私は、微笑みながら、お礼のメールをうち、送信ボタンを押した。


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