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恋して 2日 ページ2

***


太宰さんの言っていた通り。
Aさんは確かにあまり表情や感情の変化が見られない様な気がした。

僕は、何故か彼女が気になった。

その為か、しつこい程にチラチラと見てしまう。
これは、いい加減失礼だ。

僕は、自分の頬をパンと打ち、
パソコンと向き合った。


***


お昼休憩。僕は机で伸びていた。
こんなに緊張しながら何かをするのは初めてだったから、かなり疲れたのだ。

すると。



『敦君』



優しい声にビクリと身体を震わせる。
声の方へ振り替えって見れば、案の定Aさん。



「あっ、お疲れ様です!
 如何か………しましたか…?」

『否、私の勘違いだったりするかも何だけど、
 仕事中、私の事……見てた?』

「あー…………」



見てました。とは、何だか気持ち悪い発言である気がして言いにくい。

だが、先輩相手に嘘をつくのも何だか悪い。



「そう、かもです………」



結局出たのは、微妙な言葉。
僕はいつもこうである。



「否、あのっ!本当気持ち悪かったですよね!
 気をつけます、本当にすみませんでしたっ!」



ペコペコと頭を下げる。
そして、その言葉をひたすらに繰り返す。



『その、気持ち悪かったとかじゃなくて……。
 取り敢えず、顔をあげて貰える?』



Aさんの言葉に顔をあげる。



『私は、何か仕事で分からない所があったのかなって思っただけで。聞きに来たんだけど………』



思わず優しさのじーんと胸が暖かくなる。



「いえ………ありがとうございます。大丈夫です。
 改めてすみませんでした」

『否、平気だよ。休憩、邪魔しちゃって後免ね』



そうして戻ろうとするAさんに声をかけた。



「あの、」

『ん?』



ちゃんと振り向いてくれる。



「仕事で、分からない所があったら…………、
 貴女に聞いても、良いですか」



恥ずかしくて下を向いてしまう。
それでも。



『勿論。いつでもどうぞ』



それでも。

Aさんは優しく返事をしてくれた。


***

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推し丸様☆(プロフ) - 敦くんの話、最後まで良かったです!読むのがすごく楽しかったです!作者さんが活動休止、辞めるということはさみしいし、とても悲しいですけれど、最後まで連載、無理しない程度に頑張ってください!ずっと応援しています! (4月7日 21時) (レス) @page32 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主様がお休み?になるのは寂しいですが、もう一方の連載も頑張ってください!!!楽しみにしてます!!お体には気をつけて!! (4月7日 20時) (レス) @page32 id: 140287e0ee (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 推し丸様☆さん» いえいえ!此方こそご許可ありがとうございました!お互い、頑張りましょうね! (3月29日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
推し丸様☆(プロフ) - そこら辺の壁さん!宣伝ありがとうございます✨もっともっと、楽しいなと思っていただけるよう頑張りますので、どうかあたたかく見守っていただけたらと思います!(*˘︶˘*).。.:*♡ (3月29日 21時) (レス) @page20 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - wakaさん» コメントありがとうございます!時々waka様にはコメントをいただけて、凄く励みになっております!これからも応援よろしくお願いします! (3月20日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そこら辺の壁 | 作成日時:2024年3月15日 21時

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