恋して 1日 ページ1
***
僕が探偵社に入社して、数日たった時の事。
「そういえば、敦君ってAちゃんと会ってたっけ?」
太宰さんに聞かれた。
“A”。初めて聞く名前だった。
「いえ……その方も探偵社員で……?」
「嗚呼。今日出張から帰って来るんだ。
あんまり感情変化が少ないけど……………。
まァ、根は優しいし、何より美人!
今日こそ心中誘いに成功してみせる!!」
そんなことを騒ぐ太宰さんを、国木田さんが叱り始めた。
辺りを見れば、通りで少し明るい雰囲気。
Aさん……どんな人なのだろうか。
***
丁度昼頃に、彼女は帰ってきた。
探偵社の扉がゆっくりと開き、其処に立っていた。
艶々な髪をサラリと揺らし、透けそうな程に白い肌はよく映え、底知れぬ大きな瞳は瞬きをする度に音がしそうだった。
可愛らしい……というよりかは、綺麗な人。
ぼーっとしており、気が付けばAさんという人は皆に囲まれていた。
僕も挨拶するべく、慌てて駆け寄った。
「あの………」
恐る恐る声をかければ、気がついてくれる。
『君……確か、新人の子だよね?
白虎に変わる異能力持ってるとか言う……』
大人っぽい凛とした声。
「は、はい!中島敦です!
その、迷惑をかけてしまうと思うんですけど、
以後よろしくお願いします!」
それに比べ、僕は自分で精一杯。
バッと頭を下げた。
それが近くにある棚にゴチン!とぶつかる。
思わず「痛っ!?」と叫んでしまった。
Aさんはそんな僕を見て、馬鹿にせず、
いじりもせず、口に手を添えて。
『まさか、うちに此処まで純粋な子がくるとはね。
私は、平潟Aです。
よろしくね、敦君』
「は、はい……」
先程まで表情変化せず、真顔だったのに。
唐突にふわりと微笑む笑顔に胸が静かに高鳴る気がした。
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推し丸様☆(プロフ) - 敦くんの話、最後まで良かったです!読むのがすごく楽しかったです!作者さんが活動休止、辞めるということはさみしいし、とても悲しいですけれど、最後まで連載、無理しない程度に頑張ってください!ずっと応援しています! (4月7日 21時) (レス) @page32 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主様がお休み?になるのは寂しいですが、もう一方の連載も頑張ってください!!!楽しみにしてます!!お体には気をつけて!! (4月7日 20時) (レス) @page32 id: 140287e0ee (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 推し丸様☆さん» いえいえ!此方こそご許可ありがとうございました!お互い、頑張りましょうね! (3月29日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
推し丸様☆(プロフ) - そこら辺の壁さん!宣伝ありがとうございます✨もっともっと、楽しいなと思っていただけるよう頑張りますので、どうかあたたかく見守っていただけたらと思います!(*˘︶˘*).。.:*♡ (3月29日 21時) (レス) @page20 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - wakaさん» コメントありがとうございます!時々waka様にはコメントをいただけて、凄く励みになっております!これからも応援よろしくお願いします! (3月20日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そこら辺の壁 | 作成日時:2024年3月15日 21時