罰ゲームが呼ぶ幸せ【Q/K】

３９５「いつか俺達は繋がる運命だから」sgi ページ8

『駿貴･･･』




「うん。」









名前を呼ばれるだけで、全てを理解した。
旦那さんとの関係が進展するんだね。
許嫁って、なんて皮肉な制度なんだ。









俺は認めてないからな!!
と叫びたいが、向こうからしたら大事な奥さんについた悪い虫。
俺が何かを言う権利などないんだろう。









『最後にさ、ハグだけしたい。』







最後に。
今日が終わればもうAとは会えない。
否、会わない。








なぜなら俺は邪魔者だから。









折れないように、Aの細い体を包み込む。
あぁ、この感じ。
俺が一番好きな瞬間。
残りの人生、この感じをもう二度と味わえないと考えると、生きていける自信が無い。









「なぁ、A。お互いの人生真っ当に生きような。」




「いつか俺達は繋がる運命だから」




「お互い徳を積んで来世で会おうな。」









「幸せになれよ。A」









「じゃぁ、さようなら。」









"大好き"だとか、"愛してる"とかそんな陳腐な愛を囁く言葉は述べない。
そんな資格俺にはないから。









今世では、俺がAを愛す資格も、Aが俺を愛す資格もなかった。





寧ろ、俺らは出会うべきではなかった。









神様。

今世では、研究も、クイズも、なんでも頑張ります。
どんだけ疲れててもご高齢の方やペナルティを背負っている人には席を譲るし、レジで絶対お礼も述べる。
とにかく徳を積みます。
だから、だからどうか。
来世ではAと結ばれる運命にしてください。






さようなら。愛する人。
今世ではもう二度と交わらないように。









また来世で。

４「じゃあキスしていい？」hys→←１２６「いきなり雨降ってきたね、風邪引いたら大変だから今すぐシャワー浴びてきなよ」kwmr

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す