[SixTONES] Make a sound (ページ5)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:7,721 hit

第五話ページ5

＞yugoSIDE

樹からあの話を聞いたときは、準備する人数減るからラッキーだと思っていたけど。

「男、多くない?」

副部長の子と顔を見合わせて苦笑いする。

多分、本気度なんてゼロに等しい男子たちがちらほらと席に座っている。

今なんて、部活紹介に出た4人だけなのに。

本気度が低い奴は、だいたい北斗にやられて終わりだ。

部活やる気のない子たちが入って、関係が悪くなりませんように、なんて願ってみる。

外にいた子たちも戻ってきた。

一年生のHR終了からやく一時間後。集まった人数は席数３０プラス立ち見だった。

なかなか多い。

まあ、そりゃあ。うん。

そして幕開け直前、俺のもとに北斗がやってきた。

表情は少し硬かった。それは緊張も勿論あるんだろうけど、別の意味のほうが強そうだ。

その予想は当たっていたらしく、俺の耳元で観客席を若干睨みながら低い声でつぶやいた。

「予定変更で悪いんだけどさ、副部長の前に俺からひとこと言わせてくんない?」

「それは、どの立場から言うの?」

「二年生代表。樹から借りてきた。」

「そ。じゃーほかの部員にも誤解されないように言っとけよ」

本当の二年生代表はあのチャラい樹だ。

中学で吹部だったわけではないけど、センスも人望もあるしまとめる力もあると推薦されたのだ。

中学から本気で吹奏楽やってたやつらもいるからと最初は遠慮していたが、そんな樹に実は満場一致で票は入っていたのだ。

逆に北斗はこの通り少しきつい性格から、リーダーには少し向いていないと候補から外された。

それを聞いたときは、残る候補が樹だけでほんとよかったなと安堵した。

北斗、樹のことすきだからなあ

とにかく、そんな北斗は、冷やかしも同然の男子諸君に言いたいことがあるらしい。

「ほどほどにっていうか、言い方気をつけろよ。」

「台本は、樹」

「じゃあ安心か」

そういってステージにでる。マイクを持つほどの広さではないため、少し声を張り上げた。