Battle_478 ページ37
「あ！神威おじちゃんだ！」
ぱぁあああ、顔を輝かせた桃の視線の先を追えば、
「やあ、桃。
おじちゃんじゃなくてお兄ちゃんだよ？」
左手に番傘を持ち、右手を挙げてにこりと微笑んだ神威。
ちなみにコイツは桃のことを溺愛しすぎている。
そして桃も、神威のことが大好き。
駆け寄る桃を抱き上げて、神威は桃のおでこにぐりぐり、と自分のおでこを擦り付けた。
「お前は本当にAに似て可愛いネ。
どう？将来俺のところにお嫁さんに来ない？」
「お嫁さん？！なるー！」
「誰がてめェなんぞに俺の桃を嫁に出すか馬鹿野郎！犯罪だぞオラ！」
「そうかー…結婚と同時に新居が牢屋ってのは桃に寂しい思いをさせちゃうネ。
じゃあ俺と一緒に宇宙に行こっか」
「ぜ、ぜぜ絶対娘は渡さねェからなァ！」
「さ、桃。
河川敷の桃の木でも見に行こっか」
「やったあ！ ぱぱとままも行こ！」
.
桃をグッと自分のもののように抱き寄せる神威と、それに慌てて蝿のようにたかる総悟。
子煩悩もいいとこ。
最近はパパの愛を滝のように与えられてる娘にちょこっと…ちょこっとだけ、嫉妬してる日々。
そして……お腹の中の新しい命を育む日々。
「ままはあんまり動けないから3人で行ってきて？」
縁側から中に入ろうと、よっこらせと腰をあげれば
「ん」
ぶっきらぼうに差し出された右手。
誰の手だなんて顔を見なくてもわかる。
何度もあたしを繋ぎ、愛し、守ってくれた手。
「今日ぐらい、行こうぜ」
俺にエスコートされてろィ。
言い方こそキツいものの、これが彼なりの優しさなんてことは、とっくに分かってる。
「うん、お願いします…旦那さん？」
「お手をどうぞ、奥さん」
総悟の右手にあたしの左手を重ねて、ぐっ、と立ち上がらせてもらう。
ゆっくり、総悟はあたしの歩幅に合わせて、歩みだした。
.
.
「2人目は男がいい」
「まーたそんなこと言って」
「桃を嫁に出すことを考えるだけで身が裂けそうなのにそれを2回も経験するとか俺死ぬ」
「人斬り集団がよくもまあそんな簡単に死ぬもんだ」
「お前が嫁でよかった」
「ん…急、だね」
.
.
総悟が甘えてくれるのは、あたしの、特権。
.
.
「ありがとね、総悟」
「これからもよろしく、A」
.
.
〜Fin〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ての(プロフ) - ほんとにほんとに初めから最後まで素敵なストーリーで定期的に全て読み返しに来てしまいます！今もなお修正などこの作品を大切に残して頂けて嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年3月12日 17時) (
レス) id: 892b9edcae (このIDを非表示/違反報告)
レミリア - 内容が、ヤバイぐらい、キュンキュンしてた（／／＞∀＜／／) (2019年7月15日 0時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 最高でした!終わるのが悲しいです.. (2018年11月24日 15時) (レス) id: e8f3408ea6 (このIDを非表示/違反報告)
〇 - カイなのかリクなのかソラなのか、ごちゃごちゃになってますよ！ (2018年6月15日 2時) (レス) id: 9c5cfdf043 (このIDを非表示/違反報告)
琴菜 - 面白かったですっ！お疲れ様でした！ (2018年2月26日 3時) (レス) id: e179cd3389 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひより
| 作成日時：2015年11月28日 15時
