Battle_464 ページ23
*Aside*
「…で、俺が迎えに来てやったわけ」
「……そう、だったんだ」
あの後まさか神威が沖田に挨拶に行くとは思わなかった。
ましてや認めるような発言をするなんて。
グッ、と気づかないうちに強く握ってしまっていた沖田の手。
慌てて力を緩めようとすると、「このまま、な」と却って沖田に強く握られてしまった。
そのまま、無言で2人して歩き続ける。
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辺りの空気、風景に溶け込んだように、心地よい静寂。
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その静寂に身を任せすぎて、ぽろり、とこぼしてしまったんだ。
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「やっぱり、寂しい」
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「神威とちゃんと話し合って、2度と会わないって突き放されてもおかしくないのに、あたしのこと家族だと思えるようになったら戻ってくるって言ってくれて。
あたしのワガママ、全部引き受けてくれた」
それなのに。
「でも、寂しいよ……」
これ以上を望んでしまうなんて。
ここで泣くなんてみっともない真似したくなかったから、唇をグッと噛んで下を向いた。
そのまま再び訪れる沈黙。
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「いいんじゃねェの」
こともなげに発された言葉。
何がいいのか分からなくて小首を傾げて沖田を見上げると、沖田のいつもより幾分柔らかな視線とかちあった。
「どんな事情があろうと、大切なやつと会えないことに寂しさを感じんのは、普通のことだろ」
普通の…こと。
沖田の言葉が妙にストン、と心に落ちる。
「それに、“次”があるならいいじゃねェか。
あの野郎は約束は守る男でさァ。
ぜってェ、ジジイになってもてめェに会いに来るだろうよ」
.
『さようなら』じゃなくて『またね』
たった一言。
それでも、すごく強く心を掴む言葉。
「…そっか、うん、そうだね」
ふわり、と心が軽くなった。
.
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余談だけど。
そのときの沖田の表情は、何とも寂しげで。
あたしが泣きそうになるような表情だった。
その表情の真相は、次の土方さんの誕生日に知ることになる。
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ての(プロフ) - ほんとにほんとに初めから最後まで素敵なストーリーで定期的に全て読み返しに来てしまいます!今もなお修正などこの作品を大切に残して頂けて嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 892b9edcae (このIDを非表示/違反報告)
レミリア - 内容が、ヤバイぐらい、キュンキュンしてた(//>∀<//) (2019年7月15日 0時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 最高でした!終わるのが悲しいです.. (2018年11月24日 15時) (レス) id: e8f3408ea6 (このIDを非表示/違反報告)
〇 - カイなのかリクなのかソラなのか、ごちゃごちゃになってますよ! (2018年6月15日 2時) (レス) id: 9c5cfdf043 (このIDを非表示/違反報告)
琴菜 - 面白かったですっ!お疲れ様でした! (2018年2月26日 3時) (レス) id: e179cd3389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひより | 作成日時:2015年11月28日 15時