【7:00 AM to 9:50 AM】 ページ7
翌朝。
アリスは朝一番に起きて、レストランの開店準備を始める。
まずは店内の掃除から。次に店の前。てきぱきと箒を掛けながら、いつも通り本日のルーティンをこなしていく。
しばらく一人で作業していれば、二階から大欠伸をしながら恰幅の良い初老の男が降りてきた。
「おはようアリス」
「おはようパパ。朝ご飯そこにあるから」
「あぁ、ありがとう」
朗らかな笑顔でアリスお手製の朝ご飯を味わう父。
感心するように唸る彼を横目で見ながら、彼女は手を動かし続ける。
美味しそうに朝食を食べる父の顔は、昨日来た奇妙な男を思い出させた。
彼はちゃんとした宿には泊まれたのだろうか。
脳裏に過りながら、アリスは昨日仕込んだビーフシチューの味を調える。
すると紅茶のカップに口を付けた父が、何か思い出したかのように声を上げた。
「そうだアリス、すまないがちょっと紅茶の葉を買ってきてくれないかい？」
「いつものやつ？」
「そう、頼むよ。残りの作業は私がやっておくから」
「うん、分かった」
彼女はいつも父が愛飲している茶葉の入れ物を思い出す。
高級品ではないが珍しい一品らしく、グルメガレリアの中心街でしか購入できない。
あの辺りの店が開くのは10時からだ。
まだ時間に余裕はある。「残りはやっておく」と言ったにも関わらず開店前のタスクを続けるアリスに父は苦笑を浮かべた。
「そうだ、ヌードルが来たら洗濯物出しておいてね。今日は三袋」
「そうだったな、忘れないでおこう」
父は料理のことに関しては完璧に近いのに、それ以外のことに関しては抜けていることが多い。
心配になりながらも、まぁヌードルの方がしっかりしてるから大丈夫か、とアリスはクリーニング屋の娘の顔を思い浮かべた。
「ヌードルと言えば、この間良いジンが手に入ったんだ。久々にどうだろう、今夜」
「……確かに、最近行けてなかったけど……大丈夫なの？」
「ははは、何とかしよう」
明朗快活に笑いながらウィンクをする父。
今度はアリスが苦笑いを浮かべ、時計を見た。
そろそろ向かおうか。
父がもう一度「あとは任せなさい」と優しい口調で言えば、彼女も静かに頷いた。
時刻は10時10分前。
.
【10:00 AM to 10:15 AM】→←【銀貨の行方】
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
