【無我夢中】 ページ43
呆れ顔のヌードルを他所に、ウォンカは一生懸命「アリス」の文字を覚えようとしている。
そして急にアバカスの方を振り返って、輝かんばかりの笑みでこう言った。
「アバカスさんは、泣いてる女の子の顔を可愛いって思ったことある？」
「なんだって？」
何の脈絡もなく、理解の範疇を超えた質問がアバカスの手と思考回路を止める。
聞き返しても彼がもう一度同じ事を言うことはなく、何か別の世界に浸るかのように遠くを見つめていた。
アバカスとヌードルは何とも言い難い変な顔を見合わせて、若干の恐怖心が湧き、ちょっと引く。
そんな二人の様子を気にも留めない張本人は、一人微笑みながら言葉を続けた。
「泣いてる顔が可愛いってことは、笑ってる顔はもっと可愛いはずだよ」
「それはそう……かもしれないな」
「僕はアリスの顔を曇らせてばかりだから……次は絶対に喜ばせてあげたいんだ」
その切実な言葉に、アバカスは頷く。突然の嗜好暴露は聞かなかったことにしよう。
すると突然「良いレシピを思い付いた！」と彼がポータブル工場をがちゃがちゃ広げ出す。
こうなってしまった彼はもう止められない。
授業が中断されるのを察して肩を落としたヌードル。
だがそれを見たウォンカははにかんで、驚きの言葉を口にする。
「授業内容を変更してもらってもいいかなヌードル先生」
「……え？」
「アリスへのバースデーカードを書きたいんだ。文字を教えてくれる？」
まさか彼の口から文字が書きたいなんて台詞が出てくるとは。
彼が意欲的に授業を受けようとするなんて初めてだ。
目を丸くしながらも、ヌードルはぎこちなく頷いた。
それから紙と鉛筆を手にすると、彼女にこそこそと耳打ちをする。
「なにそれ。そんな言葉初めて聞いたけど」
「でも素敵でしょ？ね、どうやって書くのか教えて！」
ウォンカに急かされ、ヌードルは言われた通りに鉛筆を走らせた。
彼女の見本を見よう見まねで模写する彼。
それはそれは楽しそうに作業しているので、やっぱりアリスの事はより特別好きなんじゃないか。なんて、彼女は心の内で思う。
「……アリスに泣き顔が可愛いなんて、絶対言っちゃダメだからね」
「え？なんで？」
「なんでも！」
よく分からなそうな顔をしながらも、ウォンカは大人しく頷いた。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
