【父の夢】 ページ40
「私が最初から提案を飲んでいれば、こんな事にはならなかった」
「でも、貴方は大事なお店を守ろうとして……」
「あぁ、当時はそれが最善だと思っていたんだ。アリスと一緒にレストランを経営する事は私の夢だったからね。
だが、今こうしてあの子が苦しむ事になるなら……店なんて手放しても良かったと後悔しているよ……」
ウォンカは黙ってポールの言葉に耳を傾ける。
二人のことを、アリスの話をもっと聞きたいと思った。
「だがアリスがね、意地になってしまってるんだ。
あの子は自分の一番の幸せがHonest kitchenを永遠に残し続ける事だと思い込んでいる」
他の幸せが見えなくなってしまっているんだ。あの子と一緒なら、場所なんて何処でもいいのに。
続けられた言葉に、ウォンカは目を細める。
きっとアリスはもう後戻りが出来なくなっているんだろう。
フィクルグルーバーに対しての声色がそれを物語っている。
「君の来店を楽しみにしているアリスが、昔の明るくて御伽噺が大好きだった頃のあの子に戻っていた気がしてね。
嬉しかったんだ。だからありがとう、ウォンカくん」
「……ポールさん」
駄目だ。諦められない。
ウォンカの中で、不安や心配を押し退けて闘志が漲ってくる。
「Honest kitchen」は彼にとっても大好きな場所の一つになっていた。
大好きな空間。大好きな料理。そこで働く大好きな人たち。
ポールさんの夢もアリスの笑顔も、失われてはならない。失いたくないと、強く思う。
「ポールさん、僕にもう一度チャンスをくれませんか？」
「チャンスを？」
「えぇ、今度こそアリスの魔法を解いてみせます」
本当のアリスを取り戻す、最後のチャンス。落ち込んでなどいられない。
彼は頭の中に描いていた自分の店のレイアウトを、すごい速さで描き替えていく。
最初は困惑していたポールだったが、彼はすぐに二つ返事でウォンカに協力の意思を伝えた。
「アリスの誕生日の前日。僕の持てる全てを費やして、最高のプレゼントを用意します」
「嬉しいよ。アリスが昔のように笑ってくれるなら、私はもう何もいらない。店だって手放していいさ」
アリスの誕生日の前日。つまり明日はウォンカのチョコレートショップ開店初日だ。
そこで彼女に夢を見せる。これ以上ない位のスペシャルで素晴らしい、御伽噺のような夢を。
満ち満ちる情熱。ウォンカは燃える様な眼差しで、自分に出来る事を脳内に纏め上げた。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
