【感謝の言葉】 ページ39
袋の中で、出し忘れの洗濯物に扮したウォンカもガタガタと揺れた。
今頃彼女は……どんな顔をしているのだろう。
彼の頭から彼女の事がずっと離れなくて心配が募る。
しかしその気持ちとは反対に、彼女との距離は物理的にも遠ざかっていく。
降り注ぐ雪が強くなって来たのか、台車の進みが早くなった気がした。
歩き始めてからしばらくして、口火を切ったポール。
「……すまないね、ウォンカくん」
「いえ、謝らないでください。ポールさんも、アリスも、誰も悪くありませんから」
「そう言ってくれてありがたいよ。君がいてくれて多くを救われた。私も、アリスも」
「アリスも？」
彼、ポールが救われたのならまだ分かる。
彼はウィリー・ウォンカ製のスイーツを生きがいと言ってくれていたのだから。
しかしアリスも？彼女にはまだ何も出来ていない。
寧ろさっき目の前でガッカリさせてしまったばっかりだ。
疑問を察したのか、ポールは少し嬉しそうな口調でその答えを話す。
顔は見えないけど、きっと表情もほんのちょっとだけ嬉しそうなんだろうな。ウォンカはそう思った。
「アリスは口にこそ出さなかったが、君が次来るのを今か今かとソワソワしていたんだ。君のチョコを心から楽しみにしていたはずだよ」
「アリスが？本当に！？」
「本当だとも」
それを聞いて、ウォンカの中に希望が湧きあがる。
ソワソワするアリスを脳内で想像した。
そして尚更悔しくなる。フィクルグルーバーさえ現れなければ、彼女の心からの笑みを見れたはずなのだから。
そうだ、次はもっと凄いのを作ろう。透明チョコのレシピを頭の中で広げ、改良点を書き込んでいく。
ぶつぶつ言いながら運ばれるウォンカ。しかし今度は寂しそうな口調でポールは言った。
「だが次は……もう無いかもしれないんだ」
「えっ……どうしてです？」
「……明後日は、アリスの誕生日でね。18歳になれば、アリスはフィクルグルーバー社に行ってしまう」
そうなってしまえばもう、アリスはレストランにはいないんだよ。私の力不足で……。
そう言った後に、大きなため息が聞こえてきた。
彼の辛さと悲しさがウォンカへ同じようにショックを与える。
ザワザワと騒ぎ立てる心。
じゃあもう、彼女の特製ソースを二度と味わえなくなるって事？
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
