【誰も見た事ない】 ページ35
自分の店を持つ。
この最大で最高なニュースに、アリスは眼を輝かせ、驚いてくれる。
僅かな間だけ見せた、夢見る様な柔らかな表情。
すぐによく見る不安そうな、心配そうな顔になってしまったが、ウォンカには彼女が喜んでくれているように見えていた。
言葉に出さずとも「凄い」と言ってくれているような気がした。
これが一つ目の良いニュースだ。
少し気分が上がって、自分の考える理想の内装の話をしすぎてしまったが、彼女が興味深そうに聞いてくれるので止まらなかった。
(相変わらず眉はハの字を描いていたが)
自分で興奮する自分の口を止められたのは、我ながら偉いと思う。
彼女への本題はこれからなのだ。
「ごほん、それでアリス、次にもっと良いニュースなんだけれど」
「はい？」
華麗にステッキを取り出し、てっぺんにある球体の細工を捻る。
カシャ、と軽い金属音と共に細工が開いて、中から小さな箱が現れた。
綺麗に包装された小箱を丁重に取り出し、アリスの顔の前に差し出すウォンカ。
彼女の瞳にまた、小さな灯が宿る。
彼は立ち上がると初めてレストランに来たときみたいに、ショーマンの如く声を張り上げた。
「さぁ、お嬢さん。これからご覧に入れますは、最高のチョコ職人ウィリー・ウォンカが貴女の為だけに作った素晴らしい一品です！」
アリスの視線は、ウォンカの手にちょこんと乗せられた小箱に釘付けだ。
ドキドキしてる？ワクワクしてるよね？
本当にチョコが嫌いなら、そんな顔出来ないでしょ？
テーブル越しのチョコ職人が心の中でほくそ笑む。
彼女の小さな掌にもっと小さな箱をそっと置いた。
「誰も見た事の無い、特別なチョコだよ。
……いや、どうだろう。そうじゃないかも」
「どういう意味？」
「見れば分かるよ」
「ほら」箱を開ける様にウォンカが促す。
彼女の細い指が箱の蓋を摘まんで持ち上げた。
アリスの顔と指先を交互に見つめて、彼女以上にワクワクを隠しきれてない彼。
パカッと小箱が開かれ、中から顔を出したのは……。
「……空っぽ……」
「そう見える？」
困惑した表情のアリスに見上げられ、にやにやが堪えきれない。
小箱の中身は空っぽだ。確かにウォンカにもそう見えている。
想像していた通りの反応を見せてくれた彼女に、満足げな彼。
「これは僕の自慢の逸品、その名も【透明チョコ】だ」
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
