【良いニュース】 ページ34
アリスはハッとして、自分の発言に恥ずかしくなり顔を鍋に向けた。
そうか。普通はオレンジ色の小男なんて信じないのか。
ウィリー・ウォンカによって、自身の中に知らずのうちに変な影響を与えられていたと気付く。
だって彼はピーターパンのように空を飛ぶのだ。アリスにとって、その事実がどんな信じられない事象も信じさせてしまう。
「(……いや、そんなファンタジーを鵜呑みにするなんて私らしくない)」
背後から「でも僕とルンパさんの問題だから大丈夫だよ。親切にありがとう」と投げられ、アリスは小さな声で「そう……」とだけ返した。
それから以前と同じようにお茶を二人分用意して、彼女がウォンカの向かいに座る。
すると彼は待ってました！と言わんばかりに喜々として両手の人差し指をピンと立てて、口を開いた。
「今日は君に話したい事が二つもあるんだ！良いニュースと、もっと良いニュース、どっちから聞きたい？」
「えぇっと……じゃあ、良いニュースの方から」
OK！と片方の手をしまいながら、もう片方の手でギュッと拳を作った。
そして彼がゆっくりその手を開くと……空っぽだったはずの手の中に、何かが握られている。
鍵だ。古びた鍵が、彼の手にパッと現れた。
魔法みたい……なんてさっき自分らしくないと思ったばかりじゃないか、と浮ついた心を掻き消した。
「これは僕の夢の一つだよ。何だと思う？」
「……まさか」
「グルメガレリアの中央。最高品質のチョコショップが並ぶあの場所に……
僕の店が出来るんだ！！！」
大興奮で叫ぶウォンカ。その瞳は宝石みたいにぴかぴか輝いていて、希望に満ち溢れていた。
アリスの頭の中に鮮やかなイメージが浮かぶ。
硝子のドームが覆うあの場所で、彼が躍るようにチョコを売る姿。
行き交う人々が皆、笑顔で彼のチョコを求める光景。
彼がホバーチョコを披露したあの日と同じ賑わい。
―――そして、チョコ組合三人の冷ややかな顔。
アリスの頭の中は一瞬で現実に引き戻される。
「大丈夫なんですか……？あんな目立つ場所にお店なんて……」
「勿論！今みたいにこそこそしてるより断然良い！
それにあの場所が良いって、一目見た時からずっと決めてたんだ」
今はお店の内装を皆で準備してる。と、うっとりしながら彼は店の中のデザインをアリスに語る。
その顔は今まで見た中で一番生き生きとしており、夢を持ち、そして叶えてしまう彼に眩しさを覚えた。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
