【グリーン】 ページ31
胸に宿った暖かい何か？
果たしてそんなもの、本当に宿っていたのだろうか。
眠ってる間に見た夢の内容が起きたら思い出せなくなった時みたいに、翌日のアリスにはそんな灯きれいさっぱり失くなっていた。
その代わりに今はアリスの方が煌びやかな光に灯されている。
ズラリと彼女を囲むように並んだドレスやワンピース。
豪華絢爛というに相応しい見晴らしに、ついため息が出た。
「どうだいアリス。気に入ったものは見つかったかな」
アリスの隣にフィクルグルーバーが並ぶ。
彼に連れられて高級ブティックに来ることはこれが初めてではなかったが、空気まで高級感溢れるこの場所は未だ慣れない。
眼が眩みそうになりながら、彼女は意識して口角を上げる。
「お洋服は以前頂いたばかりですし……」
「気にする事はない。洋服はあって困るものではないからね」
「私に似合うものが分からなくて……」
「安心しなさい。ここにあるのは私が君の為に見繕ったものばかりだ」
彼は自慢気に並べられた洋服を示す。
そうだろうな。とアリスは思った。
何故ならばここに並んでいるのはフィクルグルーバー社のシンボルカラーである、グリーンを基調としたものしか置いていないのだから。
「私の隣を歩く淑女にはピッタリの代物だ」彼が鼻高々に言う。
正直内心どうでも良かったのだが、アリスは悩んでいるフリをしながら店内を物色した。
適当にふらふらしてると、アクセサリーが展示されたケースの中でキラリと光った物に目が留まる。
甘く艶めくグリーンの石。控えめでシンプルな金の装飾。
不思議と目を惹くリングが、アリスの前でちょこんと佇む。
「(綺麗……)」
柔和で独特な煌めきを見せる石は、何処か他とは違う美しさを持っていた。
宝石もアリスの事をじっと見ているような気がして……。
それが……ウィリー・ウォンカの瞳を彷彿とさせた。
「〜〜〜っ！」
そう思ってしまった瞬間、声を上げそうになって必死に抑える。
突如脳裏に浮かんだのは、距離感ハチャメチャ男のクローズアップされた端正な顔立ち。
忘れていた昨夜の夢を唐突に思い出したみたいに、アリスの頭の中に現れたチョコ職人の微笑み。
何か、昨日とは違うものが宿ってしまったかもしれない。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
