【チョコ職人】 ページ4
自分用に作ったものだったから適当なんだけどな……。という申し訳なさが彼女の中にちょっとだけあった。
しかしそんなこと気にも留めずに、男は嬉しそうに、美味しそうに口を動かす。冬ごもり前のリスみたいだ。
「凄く美味しいよ。最高だ！特にこのサンドイッチのソース！」
「ど、どうも、ありがとうございます」
彼からの真っ直ぐな賛辞をアリスは素直に受け取る。
普段褒められないという訳じゃないけど、でも何故か心から嬉しかった。
それから彼はシチューとサンドイッチをぺろりと平らげ、満足げにアリスへ改めて礼を口にした。
そしてポケットに手を入れると先程の2枚の銀貨をテーブルに置く。
「ご馳走様でした。本当に美味しかったよ。ありがとう、僕のお願いを聞いてくれて」
「い、いえ、というか、お金は貰えませんよ！」
「どうして？とっても美味しいご飯を食べたんだ。お代は払うよ」
そう言われても、アリスは銀貨を男の手に握らせ直す。
彼女と自身の手を交互に見つめる男。不思議そうに小首を傾げた。
「残り物ですし……サンドイッチに至っては自分用でしたし……」
「え、君の？それなら尚更……」
「いえ！本当に！お金を貰える程のものじゃないので……！」
頑なに銀貨を受け取ろうとしないアリスに、渋々男は手の中のソレをポケットに戻した。
あまり納得していないような表情を浮かべていたが、何か思いついたのか僅かに眉を上げ、唇を弧を描く。
表情豊かな人だな。なんて、呑気にそう思っていた。
「それならば、もっと素敵なお礼を」
「なに……？」
自信に満ちた顔をする男が、古びた旅行鞄を取り出す。
彼は鞄を開くと、何が起きたか分からずアリスは目を擦った。
何かが入ったたくさんの小瓶がズラリと並べられている。
あの鞄の中に？こんなに沢山の物が？
言葉を発せずにアリスが目を丸くしていると、男はショーマンのように声を高らかに上げた。
｢さぁ、お嬢さん。何になさいます？
最高のチョコ職人、ウィリー・ウォンカが貴女の為だけに、世界に一つだけの特別なチョコレートをご賞味いたしましょう｣
顔付きが変わった男。夢と希望に満ち溢れたような、眩しい顔。
ウィリー・ウォンカと名乗った男はアリスへ深々と頭を垂れる。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
