【チョコの香り】 ページ27
「リクエストは考えてた？」とか「一つはチョコで、もう一つは別のお菓子にする？」とか「まだ世に出てない新作なんてどう？」とか矢継ぎ早に質問を投げまくるウォンカ。
答える隙も与えられず、アリスは被せるように｢ちょっと待って！｣と声を張り上げた。
質問攻めは止まったが、それでもまだ目を輝かせながら彼女に柔らかなグリーンを向ける。
「……また会うことになるなんて思ってなかったから……リクエストは考えてませんでした、ごめんなさい」
「そっか。でも選択肢が増えたから、幾らでも考えていいよ。何なら、僕にお任せでもいい」
「……増えてません。アレルギーだなんて嘘をついたのは申し訳なかったけど、チョコレートが食べれないのは嘘じゃありませんから……」
「食べられない？チョコが？どうして？」
「……嫌いなんです。チョコレート」
口をぽかんと開けて、変な顔のままピタッと動かなくなるウォンカ。
ネジ巻き式の玩具が止まってしまったかのように、瞬きすらしなくなった。
そんなにショックな事を言ったかな？
目の前の奇妙な男の目を覚ますために、アリスは意識が飛んでる彼の肩を思いっきり揺すって現実に呼び戻した。
「チョコが嫌いだって？そんな人存在するはずない！それも嘘なんでしょ？」
「……これは本当なんです。今、貴方の目の前に存在してるんですよ。チョコ嫌いの人」
「いや、あんなに美味しいチョコソースを作れる君がチョコを嫌いな訳がないよ！チョコのどこが嫌いなの！？」
チョコを嫌う人間が存在しないと本気で思ってるのか、ウォンカは真剣な眼差しでアリスに詰め寄った。
責められてる訳ではなく興味の一環であるのは分かるのだが、それでもチョコ職人からの圧が強い。
アリスもそれに負けじと、チョコ嫌いの存在を彼に突きつける。
「匂いがダメなんです！香りが鼻を掠めるだけで嫌な事、嫌な顔、何もかも思い出しちゃうから……！」
苦悶の表情を見せたアリス。
あのプレーンな香り一つで、彼女のしまっておきたい記憶が勝手に呼び起こされる。
自分を売った母、自分を買ったフィクルグルーバー、チョコ組合の裏の顔……自分の現実。
何も知らない彼には、分からないだろう。アリスはそう思っていた。
彼はもうある程度の事を知っているとも知らずに。
「じゃあ僕の匂いも嫌い？」
突然、ウォンカは立ち上がると、ズイッと身を乗り出した。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
