【本日最後の接客】 ページ24
和気藹々とした食卓。自分の家族では絶対にありえない空気感だ、とアリスは思った。
父はずっとニコニコしながら、ウォンカにアレコレ聞いている。
彼はこのグルメガレリアに来る前、七年も旅をしてきたらしい。
二人して楽しげに会話を広げていて、彼女は人知れず溜息を吐く。
この状況をチョコレート組合の誰かに知られたら……。
想像するのも怖くなり、ただこの会食が無事に終わる事を祈るアリス。
彼女は背後の会話に混ざることなく、作業用BGMにしながら明日の仕込みの様子を見ていた。
たぶん、彼が来て三十分経ったか経ってないかくらいだったと思う。
ウォンカが食べ終えた皿をご丁寧にシンクまで持って来たのだ。
「え、あ……置きっぱなしで良いですよ」
「このくらいさせてよ。結局、ちゃんとしたお客さんとして来れなかったし」
またお世話になってごめんね。眉を下げる彼に、アリスは「気にしないでください」と言わざるを得なかった。
それから何故か彼から「毛布か何かある？」と尋ねられる。
何用で、と聞く前に彼の視線を追えば、眼に映ったのは机に突っ伏している丸っこいフォルム。
父ポールが客人そっちのけで夢の中に旅立っていたのだ。
盛大な溜息を吐いたアリスはウォンカに鍋番を頼み、二階から毛布を持って来て真ん丸フォルムを包み込む。
此方を見て微笑む彼にちょっと気恥ずかしくなり、彼女はふいっとそっぽを向いた。
「ごめんなさい。父が呼びつけたのに」
「全然。君とも話がしたかったからね」
嫌な顔一つせずに、彼はそう言った。
そういえば、前にもそんなことを言われたかな。
噴水の前で彼が気を失っていた時のことを思い出す。
あの時は色々テンパっていて、正直自分でも何を口走ったのかあまり覚えていない。
食後のお茶を用意しながら、アリスは「座って待っててください」と言った。直後にデジャブを感じる。
そう言えば、前もにそんなことを言ったかな。
火から鍋を下ろして、父お気に入りの紅茶を二つ。
テーブルに置いたら、アリスはウォンカの向かいに座る。
本当は早々に帰した方が良いのだが……彼と同様に、彼女にも聞きたいことは山ほどあった。
それを察したのか、紅茶を一口含み彼女を見つめてじっと待っているウォンカ。
何でも聞いて？そう言われているような気がして、アリスはとりあえず今日の一番の疑問を口にした。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
