【真夜中の作戦会議】 ページ20
「アリスとは、もう会わない方が良いのかな」
クリーニング屋一同が会する真夜中の作戦会議。
『グルメガレリア・ゲリラチョコ販売大作戦』の事前準備の話し合い最中に、ウィリー・ウォンカは呟いた。
鉄格子越しに降る星明りは、柔らかなアリスの優しさを思い出させる。
「フィクルグルーバーは神経質で器の小さな男だ。商売敵の君がアリスと関わったなんて知ったら、何をされるか分かったものじゃない。君も、アリスも」
遠くから、彼の呟いた悩みに対する回答が飛んでくる。
アバカスの言葉には、一同が見せた苦々しい表情の明確な答えが詰まっていた。
「チョコ職人ウィリー・ウォンカ」と「チョコレート組合の婚約者アリス」の出会いは、本来良い事ではない。
彼はアリスとの三度の邂逅の事を思い出す。
一度目、母親から自分を隠す彼女。二度目、グルメガレリアで自分と目が合い逃げる彼女。
今なら彼女の取った行動の意味が分かる。
それならばきっと、三度目の出会いは彼女自身とても勇気を振り絞って来てくれたはずだ。
「アリスに言ったんだ。君の欲しいお礼を用意するって。
まだリクエストは聞けてないけれど」
彼女から貰った優しさは、是非とも自慢の味でお返ししたい。
しかしそれは叶わぬ望みなのではないかと、皆の反応から感じられた。
どうにかこっそり会うことが出来れば……。そうは思っても、実行に移すのはかなりの難題だと頭を悩ませる。
今フィクルグルーバー氏の反感を買う事は得策ではない。ウォンカにとっても、アリスにとっても。
「昔のアリスは甘いものが大好きでね。君のチョコならなんでも喜ぶだろうさ」
「そうなんだ。でもアリスはチョコレートアレルギーだから、チョコは食べないよ。その代わり、別のスイーツを考えてる」
「……何？チョコレートアレルギー？初耳だな」
怪訝そうに首を傾げるアバカス。
そんな話聞いたことが無い……など、ぶつぶつ独りごちる。
「でも、アリスがそう言ったんだ」ウォンカが言えば、長考していた元交換手ロッティが口火を切った。
「もしかしたら……フィクルグルーバーに止められてるのかも」
「なにを？」
「自分の所のチョコ以外、食べちゃいけない……とか」
彼女の一言に、皆一斉に露骨な嫌悪感を見せた。
神経質で器が小さい。あり得ない話ではないと。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
