【最悪の晩餐】 ページ17
刻は少し遡り、ウィリー・ウォンカとヌードルが紆余曲折あって動物園への侵入を試みている頃―――
アリスが買い出しから戻って来ると、レストラン内に人の気配を感じた。
もう店仕舞いはした。だが奥の席から明るい雰囲気が漂ってくる。
不思議に思って首を傾げるが、心当たりが一人だけいた。
もしかして―――彼が来ているのか？お客としてまた来る、と言っていた彼が。
チョコ職人であることはちゃんと隠してくれてるだろうか？
どうせなら営業時間内に来てくれれば良いのに。
知らずのうちに浮ついていたのか、アリスの足取りが少しだけ速くなる。
そんな訳ない事くらい、考えれば分かってたのに。
「やぁアリス、おかえり」
「遅いじゃないかアリス！フィクルグルーバーさんがお待ちだよ！」
彼女を待っていたのは、夢ではなく、現実だった。
視界に飛び込んできたのは上機嫌の母。
グラスを片手にくつろぐスラグワース。
どっしりと座って料理をつつくプロドノーズ。
そして、アリスを出迎えるフィクルグルーバー。
「……皆さまいらしてたのですね。おもてなし出来ずに申し訳ありません」
「いや、我々が予約も無しに来たのだ。おかまいなく」
「そうともアリス、君が謝る事は無い。あぁ、上着をもらおう」
買ってきた荷物を置くためにキッチンの隅で縮こまっていれば、コートを預かりにフィクルグルーバーがこちらへ歩み寄ってきた。
自分でやります、と言っても彼は聞く耳を持たず彼女のコートをハンガーへ掛けに行く。
ご機嫌な母の甲高い声に、アリスの気分は一気にどん底へ沈んでいった。
期待をしてしまっていた分、反動は大きい。
「アリス、君も夕食がまだなら一緒にどうかな？」
「いえ、そんな……皆様とご一緒になんて……恐れ多いです」
「遠慮することは無い、ここは君の家なのだから」
遠慮なんかじゃない。本当に、心から嫌なのだ。
しかしこの会食から逃げる事は出来そうにない。
プロドノーズの「嫌ならそう言えば良いのだ」という言葉を笑顔で否定しなければなくなったのだから。
心の中の嫌悪感をどうにか打ち消そうと試みて、ふと昨日の彼らの様子を思い出した。
ウォンカの空飛ぶチョコを食べてふわふわ浮かびながら大慌てする姿。
見た事のない彼らの様子に、思わず吹き出しそうになって何とか堪える。
今のアリスの仕事は給仕でも調理でもなく、この三人の機嫌を損ねない事だ。
彼女は深呼吸をして渋々、空いている壁際の席に着いた。
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ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもコメントありがとうございます！いえいえいえ、こんな素人文章にお金使わないでください……！寧ろ好きと言ってくださるかんなさんにお金払います(？)いつも応援ありがとうございます🥰 (2月5日 6時) (
レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - 何かもう本当に読み進める度にこの作品が好きになります🥲💖もうお金払ってでも読みたいレベルです‼️ (2月4日 22時) (レス) @page39 id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！皆さんが読んでくださる事が私の励みにもなります！🙏これからも日々の楽しみの一部になれるように、頑張って更新続けていきますのでよろしくお願いします💖 (1月28日 8時) (レス) id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
かんな - やっぱりすごく読んでいて続きが楽しみになる作品ですね🥲私の毎日の楽しみになってます！！ (1月28日 8時) (レス) id: 64afab6d44 (このIDを非表示/違反報告)
ソフナー(プロフ) - kinokokanaさん» kinokokanaさんコメントありがとうございます！楽しんで下さる方がいらっしゃるのが一番励みになります😭極力、一日か二日に一度更新を目指しているので、頑張ります！💪これからもよろしくお願いします💖 (1月17日 12時) (レス) @page15 id: deb951e27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフナー | 作成日時：2024年1月7日 21時
